駅にある線路をまたぐ橋のことを「跨線橋(こせんきょう)」と言う。向かい側のホームへ移動する時に使うアレだ。毎日のように利用しているという人も多いのではないか。では、日本でもっとも古い跨線橋がどこにあるかご存知かな? 答えはすぐ下です。ていうかもう発表します。
JR東海・武豊線が通る半田駅には、日本最古と呼ばれる跨線橋があるそうだ。しかも、そんな歴史の教科書みたいな建築がいまだ現役で使われているらしい。先日、ちょうど仕事で名古屋に行く用事があったので、ついでに社会見学してきたぞ。
・日本最古の跨線橋
名鉄名古屋駅から知多半田駅まで移動、そこから10分ほど歩いた場所にあるのがJR半田駅だ。入口周辺には特に変わった点は見られないが……
そこから線路の方にぐるっと回っていくと、紅白の壁が鮮やかな跨線橋が目に入る。おそらく、というか間違いない。きっとあれが日本最古の跨線橋だろう。
1910年(明治43年)11月に設置されたこの跨線橋は、以来100年に渡り半田駅を支えるシンボル的存在だ。また、そのすぐ隣にある建物にも注目していただきたい。
・共に100歳超え
赤レンガ造りのなんともレトロなこの小屋は、半田市のホームページによると昔は油倉庫だったらしい。夜間信号機の火に使う灯油が中に保管されていたとのことだ。ちなみに設置は跨線橋と同じ1910年。二つの歴史的建築物が、今もそのままの姿で残っている光景は感慨深いものがある。
・跨線橋の中へ
油倉庫が今も使用されているかどうかは外観からではよく分からないものの、跨線橋の方は明らかに現役バリバリだ。さっそく入場券を買って中に入ってみることにする。ちなみにこれは余談だが、「入場券ください」と言ったら「そっち行っても何もないけど……」みたいな顔をされたぞ。
いや……
あるやん。
日本最古の跨線橋あるやん。
まあ中に入ってしまえば味はあれど普通の跨線橋なのだが、よく見るとペンキがキレイに塗り直されていたりする。「私はまだまだ現役だぞ」という橋の声が聞こえてくるかのようだった。橋内に掲示されていた案内を以下でご紹介しよう。
「このこ線橋は、明治43年11月に完成 JRでは最古の橋です
昭和62年11月 半田駅」
・正確には……
ただ調べてみると、これよりさらに古い跨線橋が国内には存在するらしい。なら日本最古じゃなくね? と思うかもしれないが、それもちょっと違う。中日新聞によると半田駅は、「建築時と同じ場所に残る跨線橋としては日本で最古」なのだ。つまり、完成してからこの場所にいる長さが日本一ってことだな。
こまけぇこたぁいいんだよ! とりあえず最古なんだよ!! と、今回はあえて強引に締めてみようと思う。半田駅の跨線橋は、こちらが気遣う必要など一切ないくらいバリバリの現役選手であった。名古屋からは少々遠いが、近くに立ち寄った際はぜひ。
参照元:半田市、中日新聞
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
▼JR半田駅。
▼跨線橋から見た景色。
▼支えている鉄骨。
▼近くに立ち寄った際はぜひ。