無性に海外へ行きたくなる時がある。どこか特定の国に行きたいというより、とにかく日本を出たい。日本以外のどこかに行きたい……という感じ。

先日もまさにそうだったのだが、海外に行くお金もない。時間もない。なので、日本にいて海外旅行気分を味わえそうなお店を選んでみたところ、逆に日本の素晴らしさを思い知らされることになった。

・ネットを使わず店選び

基本的にネットで海外オーラ漂う店を探すのが1番確実だが、検索するという行為が普段の日常そのもので気が進まない

なので、先日赤羽でお店の名前だけで店を選んだのと同様に、ネットを使わずに店選びをしてみることに。

ちなみに、場所は池袋。ガチ中華が多いエリアなので日本っぽくない店は至るところにあるが、それはそれで選択肢が多すぎて決めきれない。


うーん、どれにしようか……と思いながら西口から東口まで歩いた時、直感的に「ここだ」という店が目に飛び込んできた。

おそらく、この店は日本人のお客さんが少ないのではないか? それだけ、海外旅行気分が味わえるのではないだろうか? なぜそう思ったのかというと……


読めねぇ……。



「ハラル」などの文字はわかるが、そもそも店名が読めねぇ……。ゆえに、日本人が検索でこの店に辿り着くことはほぼないだろう。そういう意味で、ネットを使わずに店選びという企画にもぴったりだ。


まぁもちろん読める日本人だっているだろうが、数としてはそこまで多くないはず。したがって、お店の中はほぼ外国なのでは!?


と思ったらやっぱりそうだった。店員さんは日本語ができたが、周りのお客さんから聞こえてくるのは外国の言葉ばかり

ちなみに、タブレットは日本語表記に対応していたが、かなり怪しい日本語。だけど、今の自分にとっては逆にいい! なんなら日本語はなくてもいい。その方が異国気分を味わえるというもの。

どんなメニューなのかイマイチわからなくても、写真を見れば失敗することはほぼないのだから。たとえば……


上の写真のように赤が強くて、パッと見で辛そうなのは避ければいい。いくら日本で辛いものが好きだからといって、海外仕様の辛いものはレベルが違う。

安易に頼んだら地獄を見る……ということは身をもって知っている。だからそういうものはスルーして、安全そうでなおかつ美味そうなヤツを勘で選べばいい

──という基準で決めたのが「鶏肉炒めあんかけ麺」だった。


中国語で何と読むのかはさっぱりわからないが、日本語表記ではそう書いてある。決め手は「あんかけ」という文字だ。

あんかけ。あんかけである。あんかけといえば、とろみ。とろみといえば、優しい味。優しい味といえば、辛くない。完璧な論理だ。

価格は税込1628円で、麺の大盛りも可能とのことだったが、今回は普通盛りで様子を見るとしよう。


・ガチを求めたのに…ガチすぎる

しばらく待って、料理が運ばれてきた。


あんかけ要素が1ミリもない!!!!


とろみはどこだ。優しさはどこだ。目の前にあるのは、彩り鮮やかで、見るからにパワフルな炒め麺である。

まぁ、見た目は正直美味しそうではある。色合いも綺麗だし、具材もたっぷりだ。ただ、気になる点が1つ。


唐辛子が思ったより多いような……。いや、大丈夫だろう。あんかけって書いてあったし。少々入っているだけで、そこまで辛くはないはずだ。自分に言い聞かせて、ひと口目を食べてみると……


あ、大丈夫かも。


そう思った。ひと口目は本当に大したことがない。やっぱり杞憂だったか。よかったよかった、と思いながら食べ進めていくと……


ズドン!


後から辛さがやって来た。「はい、フェイントでした〜! 油断してた?」と言わんばかりのニヤニヤした顔でやって来た。

全然大したことない。効いていない……と言いたいところだったが、しっかり効いていた

なんというか、日本のファミレスで出てくるような辛い料理が鍼灸のハリだとしたら、こっちはキリである。ハリはツボを刺激するが、キリはガチで突き刺さってくる。そういうことだ。

こんなはずじゃなかった。あんかけを信じた私が馬鹿だったのか。いや、あんかけという言葉に罪はない。ただ、私の解釈が甘すぎたというだけの話だ。誰だよ、「写真を見れば失敗することはほぼない」とか言ってたヤツ



しばらくして、汗が吹き出してきた。周りの外国人のお客さんたちは涼しい顔で食べているのに、私だけがサウナにいるようだ。

ガチ感を求めてガチな店に入ったのに、ガチ感にやられているという矛盾。いや、これこそがガチということか。



・やっぱり日本が最高

もちろん、それでも完食した。月並みだけれど、辛くて美味かった。それは間違いない。ただ、店を出た後に思ったのだ。

こういうガチ寄りな店も王将も日高屋もサイゼリヤも、何でも選び放題な日本ってすごいなと。

海外気分を求めて飛び込んだ池袋のハラル飯屋で、私が学んだのは結局そこだった。あらゆる国の料理が気軽に食べられて、辛すぎたら次は優しい味の店に逃げ込める。これだけ選択肢が豊富な国って、改めてすごいのでは?


というわけで、「日本以外のどこかに行きたい」と思った1時間後に、「やっぱり日本が最高」という結論に辿り着いたのであった。汗だくで


・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 疆莱(きょうらい)
住所 東京都豊島区東池袋1-14-14THECITY池袋B1F
時間 11:30~15:30、17:00〜23:50

執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

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