本日11月23日は「ゲームの日」である。勤労感謝の日であり、手袋の日であり、サイババの誕生日でもあるが、れっきとした「ゲームの日」でもあるのだ。
さて、一口にゲームと言ってもカードゲームやテレビゲーム、最近ではソーシャルゲームなどもあるが、いわゆる “神ゲー” とともに我々の記憶に強く残るのが「クソゲー」である。そこで今回はロケットニュース24の記者たちが「思い出のクソゲー」を振り返ってみたのでご覧いただきたい。
・今では良き思い出
「あれはハマったなぁ~」なんて神ゲーを思い出すことは非常に簡単だ。寝る間も惜しんでプレイしたゲームはその人の血肉となり、何らかの形で影響を及ぼしているに違いない。
それと同じくらい、クソゲーも思い出深いものだ。当時は全然笑えなかったことはさておき、クソであればあるほど強烈な印象を残しているもので、忘れたくても忘れられず、今では逆に良き思い出になっているタイトルも少なくないだろう。それでは以下で記者たちの「思い出のクソゲー」をご覧いただきたい。
・GO羽鳥が選ぶクソゲー:「スーパーハイドライド」
同シリーズは他のゲーム機にも移植されているが、私がプレイしたのはメガドライブ版のスーパーハイドライド。RPGゲームをメガドラでプレイしたくて購入するも、あまりの難易度に小学生時代の私は絶句した。
というのも、このゲームには「重さ」の概念があり、荷物を持ちすぎると移動などの動きが鈍くなる。それはリアリティだから良いとしても、敵と戦って得られる金にまで重さの概念が適応されるのはいかがなものか。
がんばって敵と戦って金を得ても、その重さで動けなくなる。最終的には、1歩も進めなくなるのだ。なんなんだ。どうすればいいんだ。しかし、このゲームのBGMは実に良かった。特にオープニングの曲は名曲中の名曲だ。
・中澤星児が選ぶクソゲー:「えりかとさとるの夢冒険」
誕生日におばあちゃんがファミコンを買ってくれるというのでジャケ買いしたのが『えりかとさとるの夢冒険』との出会いだった。同い年くらいの子供が主役の冒険ものだったので、面白そうに見えたことを覚えている。
だが、ふたを開けてみれば、絵本みたいな世界観のアドベンチャーゲーム。当時アクションゲームしかやったことがなかった私には、いまいち進め方も魅力も分からなかった。おばあちゃんが「面白いか?」と聞いてくる度に、胸の痛みを感じながら「凄く面白い!」と答えたあの頃。今なら2章クリアできるかな?
・原田たかしが選ぶクソゲー:「ジョナ・ロムー ラグビー」or「Rugby」
15年以上くらい前は今ほど技術が発達していなかったし、ラグビーゲームも少なかった。そんな中、クソゲーと分かりつつもプレイしていたのがコレ。「ジョナ・ロムー ラグビー」か「Rugby」のどちらか覚えていないのだが、ラグビー界のレジェンドであるジョナ・ロムーがボールを持つと、とにかくチートすぎたのを覚えている。
タックルなどボディーコンタクトがあると、選手がいちいち「オウフッ」と声を出すので「オフオフラグビー」と呼んでいたのがいい思い出だ。なお、11月18日はジョナ・ロムーの命日。2015年に40歳の若さで急死してから今年で3年の月日が流れた。
・砂子間正貫が選ぶクソゲー:「燃えろ!! プロ野球」
バントした球が特大ホームランになる “燃えプロ” は、他の野球ゲームの追随を許さない圧倒的クソゲーと言えるだろう。「ホームランを打たれた投手がマウンド上で崩れる」という演出があるのだが、悔しがるピッチャーの後方を、バッターが涼しい顔をして通り過ぎていく流れが完全にコントだった。
ちなみに、ホームランには「弾丸ライナーでスタンドに飛び込むタイプ」と「大きな弧を描く滞空時間の長いタイプ」がある。バントホームランは後者で、内野フライかと思った打球がバックスクリーン横に突き刺さった瞬間、コントローラーを投げて電源を切ったのは良い思い出だ。
・あひるねこが選ぶクソゲー:「トランスフォーマー コンボイの謎」
何度でも言うが、これは完全に「コンボイの謎」である。あんな鬼畜な横スクロールアクションが存在していいわけがない。そこで今回は、私が初めてこの作品をプレイした時の雰囲気を音声でお伝えしよう。それではどうぞ。
スタート。キーン……。ティーリーリリリリリー、バーン(死亡)。ティーリーリリリリリー、シュッ! バーン(死亡)。ティーリーリリ、バーン(死亡)。ゲームオーバーである。
いかがだろうか? 冗談抜きに数十秒でゲームオーバーとなったため、最初は隣で見ていた友人と共にバグを疑ったものだ。ファミコンはスーファミと比べてクソゲーが多いが、「コンボイの謎」ほどのクソゲーを私は見たことがない。まさに伝説。
・P.K.サンジュンが選ぶクソゲー:「ストリートファイター2」
スト2が名作であることはわかっている。わかりきっているが、私にとってはクソゲーでしかない。なぜなら私は昇竜拳が繰り出せず、中学生のときにスト2の波に乗れなかった苦い思い出があるのだ(名誉のために言っておくが、波動拳は出せたかね!)。
プロレス好きの私はザンギエフを使いたかったが、昇竜拳すら出せない小僧にスクリューパイルドライバーが打ち込めるわけがない。私にとってスト2は、ガイルのソニックムーブとサマーソルトキックしか収録されていない単なるクソゲーなのである。
・K.ナガハシが選ぶクソゲー「邪聖剣ネクロマンサー」
PCエンジン初のRPGとして1988年に発売されたこのタイトル。パッケージに映画『エイリアン』のデザインを担当した「HRギーガー」の作品を起用していることからもわかるように、ホラー要素満載のゲームだ。
敵キャラを倒すと「ブシュー!」という音とともに血が吹き出たり、不気味で超グロい敵が登場したりとインパクト抜群の世界観は最高だったが、とにかくクソだったのが、難易度が高すぎる点である。
敵が急に強くなったり、「痛恨の一撃」でいきなり致命的なダメージを受けたり、隠しアイテムが攻略本無しでは発見できないような場所にあったり、さらにはセーブのパスワードが最大64文字と異常に長かったり……今思い出してもゲームのグロさ以上にゾッとする難しさだった。
最終的には裏技のパスワードを使ってクリアしたが、それからというもの「RPG=メチャメチャ面倒臭い」というイメージがついてしまい、後に大ヒットした「ドラクエ」や「FF」には手を出していない。
・佐藤英典が選ぶクソゲー:「たけしの挑戦状」
今思えば、ある意味神ゲーだったと思う。しかし小学生当時の私が「なぜこれを販売したのか?」と、恨むような思いを抱いたことを理解して欲しい。なぜなら、小学生にとってファミコンカセットは当時高額で、しかも「ゲームが欲しい」と親に懇願することは、決意と努力が必要だったからだ。
ようやく買ってもらって、そして期待に胸を膨らませてプレイした結果……。そのゲーム内容のひどさに私は人生で初めて「ハラワタが煮えくり返る思い」をしたのである。どう遊んで良いのかわからないゲームを、なぜ販売したのか? 時代が時代なら “炎上” と呼ばれる事態になっていただろう。ただ、振り返ると良い思い出ではある。
……以上ある。どれもそれぞれにクソゲーで、佐藤が言うように時代が時代なら炎上騒ぎになっていてもおかしくない。まだ大らかな時代だったからこそ許されたタイトルばかりだ。
とはいえ、現在ヒットを飛ばしているタイトルも「クソゲーたちの屍を越えてきた」とも言えるだろう。今では逆にレアなクソゲー。あなたの記憶に残るクソゲーはなんだろうか?