親が自分の子供を育てる──。あたり前のことである。「子供は勝手に育つ」なんて言葉もあるが、1人娘を持つ私、P.K.サンジュンから言わせれば「子供は勝手に育たない」し、なんなら「メチャメチャ手間のかかる存在」だ。

これは決してネガティブな意味で言っているわけではなく、ただ本当に淡々と実際問題として──そうなのである。例えば「保育園に娘を迎えに行ってから寝かし付けるまで」は “戦場” といっても差し支えない。

・週に1度だけお迎えを担当

待機児童になりかけた時期はあったものの、現在は地元の保育園に通う我が愛娘、レイちゃん(1歳9カ月)。私も妻もフルタイムで働いているため、平日週5回は朝9時から18時まで保育園で過ごしている。

基本的には私が「朝の送り」担当で、妻が「お迎え」担当なのだが、最近になり妻から「週に1度はちゃんと働かせてくれ」との要望があった。そのため私が週に1度だけ「お迎えから寝かし付けるまで」を引き受けることになったのだが……これが先述した “戦場” なのである。

・ある日の「お迎えから寝かし付けるまで」

ここからは、ある日の「お迎えから寝かし付けるまで」を時系列でご紹介したい。あらかじめ申し上げておくが、当然ながら純度100%のノンフィクションである。

17時40分: いつもより早く会社を出る。普段は20時くらいまでに終わらせる仕事をパワープレイで片づける。


18時25分: 保育園に到着。どうしてもノートを持ちたがる娘と、雨なので回収したい私の静かな応酬が続く。「はい、貸して」「ないない」「貸して」「ないない」のラリーが10回以上続いた後、一瞬のスキを見てノートを奪取することに成功。


18時40分: スーパーに到着。買い物をする。娘は買い物かごを奪われると怒るため、しばらくそのままにする。買い物を終えて帰ろうとすると、娘の靴が片方しか無いことが発覚。どこかで脱げてしまったようだが、親切な人が拾ってくれていて無事に回収。



19時05分: 家に到着。手を洗い、買ってきたリンゴジュースを飲ませる。そのすきに夕飯の準備に取り掛かり、途中途中でぬりえに参加しながら娘の様子を見る(ぬりえは見ていないと床や壁まで進出する恐れアリ)。



19時30分: 夕食を食べる。最近はご飯を食べさせようとすると「自分でやる!」とブチギレるので、あえての放置。その間に自分のご飯も一気に食べる。終盤、みそ汁で遊び始めたので注意するとギャン泣き。大好きな海苔を使って気を逸らす。




20時00分: アンパンマンを見せている隙にキッチンを片付ける。その流れでお風呂を洗いお湯をためる。




20時15分: トイレに連れていくも頑なに座らず。オムツを取りに行った隙に大量のトイレットペーパーが引っ張り出される。


20時20分: お風呂に入る。お風呂は好きなので終始ご機嫌。なお、自分の体や頭はサッと洗いが基本。

20時35分: お風呂から出る。パジャマに着替えさせ、この日初めての一休みタイム。大好きな曲「じゃんじゃん! ジャンプ!!」に合わせジャンプを繰り返し、父の腕に乳酸が蓄積される。「もう1回」が続き、合計3度の「じゃんじゃん! ジャンプ!!」。



21時00分: 娘が大嫌いな歯磨きをする。気を逸らしたり、物で釣ったり、あの手この手で歯磨きを試みるが、盛大に泣かれ長期戦へ


21時15分: 寝室で寝かし付ける。いきなり部屋を真っ暗にすると泣くので、少しずつ部屋の照明を落とし、寝転んだ状態で何度も絵本を読む。……が、思い出したように「母ちゃんは?」ラッシュが始まり、この日一番のギャン泣き。「そう簡単に泣きやまねーぞ! コンチクショー!!」的な気概を感じる凄まじい泣きっぷり。お手上げ。


21時50分: 泣き疲れ、そのまま寝る。


22時00分: 少しの物音も立てないよう寝室を出て、盛大に散らかった部屋を片付ける。


22時15分: 風呂上がりにスタートしておいた洗濯物が終わる。干す。


22時30分: 翌日もほとんど会社にいられないため、この記事を書き始める(普段はやらない)。


──ざっと以上である。礼衣ちゃんと過ごせることは、たとえどれだけ手がかかろうと私にとってこの上なく幸せな時間であることは間違いない。……間違いないのだが、とてつもないカロリーを消費することもまた事実だ。質は違うものの、仕事の20倍くらいは疲れる

・仕事の方が楽

だからと言ってこの記事は「エッヘン! 俺えらいだろ!!」なんて言うつもりで執筆しているわけではない。“育児” と一言で片づけるのは簡単で、その一つ一つは大したことではないのかもしれないが、実際は大の大人がフルパワーで立ち向かっているという “リアル” を知って欲しかったのだ。

なので、もしこの記事を読んで少しでも「大変なんだなぁ」と思ったら、まずは自分の親御さんに感謝して欲しい。特に専業主婦やシングルマザーはこれが数年間も休みなく続くのだから、それだけでも人間として尊敬に値する。

・たまには「褒めて」「手伝って」あげて

また、もし奥さんにほとんどの育児を任せている旦那さんがいたら、たまには奥さんを労わってやって欲しい。冒頭でもお伝えした通り、親が子供を育てるのはあたり前の行為であることはわかっている。ただその分「誰も褒めてくれない」ので、きっとあなたの一言で奥さんはとても救われるハズだ。

ついでに言うならば、もしいまだに「俺が金を稼いでるんだから育児は嫁が全部やって当然」なんて思っている人がいたら、今すぐ考えを改めた方がイイ。なにせ、育児は仕事の20倍疲れるのだから。

再三になるが、娘と過ごす時間は私にとって何事にも代えがたいハッピーな時間である。ただ、とんでもないカロリーが持っていかれることもまた紛れもない事実だ。世のお父さん、お母さんたち、いつもいつも本当にご苦労様です。

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼スーパーで袋詰めまでしてくれると本当に助かる。

▼育児はとてもハッピーなことである反面、めちゃめちゃカロリーが持っていかれるのだ。質は違うが仕事の方が楽。俺はね。