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五体満足に生まれてきた人にとっては、目が見えたり耳が聞こえることは当たり前で、特に感謝することもなく日々を過ごしている人が多いだろう。だが少し視点を変えて、 “みんなが手話を使えたら、聴覚障がい者にとって世界はこう見える!” という広告ビデオ「The Most Emotional Surprise of the Year」が製作され、感動を呼んでいる。

普段、我々が経験し得ない聴覚障がい者から見た世界を垣間見ることで、ささやかな感動を味わってもらえたらと思う。

・聴覚障がい者の平凡な一日を特別な日に

話題となっているサムスンによるビデオコールセンターの広告ビデオ登場にするのは、トルコのイスタンブールに住む青年ムハレムさんだ。聴覚障がいを持つ彼の平凡な一日が、周りの人々が彼に手話で話しかけることによって、特別な日に変わる様子が描かれる。

プロジェクト決行の2014年12月28日までに、費やされた準備期間は1カ月。広告ビデオの出演者は手話を学び、何も知らされていないムハレムさんを映し出すためのカメラが、街のあらゆる所に設置された。

・みんなが手話を使えたら聴覚障がい者にとって世界はこう見える!

まず動画は、同社に協力したムハレムさんの姉オズレムさんと共に外出した彼を映し出しす。すると、通りすがりの男性が二人に向かって手話で “おはよう!” と挨拶。ふいを突かれて男性を振り返るムハレムさんがベーグル・ショップに入ると、店員が手話で「出来たてのベーグルがありますよ」と話かけてくるではないか!

・不思議に思いながらも笑みがこぼれてしまう青年

思わず顔に笑みがこぼれる彼の目の前で、今度はある男性がオレンジを落としてしまう。ムハレムさん達がオレンジを拾い上げると、男性が “りんごをどうぞ” とお礼に渡し、ムハレムさんが姉に「彼も聴覚障がいなのかな?」と質問。

さらに、彼とぶつかってしまった女性が手話で謝り、立て続けに人々から手話で話しかけられて “一体どうなってるんだ!?” と、不思議がるムハレムさん。

・障壁のない世界が夢

そして、タクシーに乗って街の広場までやって来ると、ビデオスクリーンに映し出された女性が手話で彼に話かけ始めた。「サムソンのビデオコールセンターでは、聴覚障がい者が手話で意思の疎通ができるサービスを提供開始し、“障壁のない世界が我々の夢” です」とのメッセージを伝えた。

・手話で聴覚障がい者の世界に大きな変化が

まさか、自分のために全て計画されたことだと思わなかったムハレムさんは、驚きと感動のあまり泣き出してしまった。この動画を見たら、出会う人々が少し手話ができるだけで、ここまで聴覚障がい者の世界が変わることを痛感させされてしまうに違いない。

演出とはいえ、同社が掲げる “障壁のない世界は我々の夢です” とのメッセージには、多くの人が共感するのではないだろうか。普段は当たり前に思っていることでも、意識して感謝する心を忘れないようにしたいものだ。

参照元:YouTubeCTV NEWS(英語)
執筆:Nekolas

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