
自分がライターとして秀でているとは全く思わないが、しかし時折、嗅覚のようなものが働くことがある。
「これはネタになる」という直感と言ってもいい。例えば当記事で取り上げる商品についても、その直感は鋭く働いた。今回レビューするのは、2022年11月1日に発売されたゼリー菓子、「蒟蒻畑(こんにゃくばたけ)プリン味」である。
これは一体何なのか。ワンセンテンス内でゼリーと蒟蒻とプリンが一堂に会するとは何事か。もはや「私をネタにしろ」という商品の声が聞こえてくるかのようだ。嗅覚どころか聴覚まで働いている。正体を突き止めねばなるまい。
「蒟蒻畑」と言えば、マンナンライフから発売されている有名な菓子だ。材料に蒟蒻が使われたゼリーであり、そのまま「蒟蒻ゼリー」と呼ばれることが多い。
そしてその「蒟蒻ゼリー」のプリン味が発売されたわけだが、果たして蒟蒻なのかゼリーなのかプリンなのか、こればかりは愚直に思案を巡らせているだけでは光明など見えない。実物を食すことでしか知の扉は開かれないだろう。
そういうわけで、入手した12個入りのパッケージから1個を取り出す。一目見た限りではプリンというよりオレンジゼリーだ。「蒟蒻畑プリン味」の本質がオレンジゼリーであった場合、知の扉ではなく混沌の釜の蓋が開かれることになるが、その懸念は杞憂に終わった。
封を切った途端、辺りに充満するカラメルの香り。強烈であった。まさしくプリンであった。
どこにも見当たらないのに、鼻孔をカラメルが刺激する。姿なきカラメルに奇襲を受けると、人は激しく動揺する。見くびっていたわけではないが、想像以上だ。本物のプリンより匂いが強い気さえする。
こうなってくると味が濃いのではないかと気になってしまうものの、それもまた杞憂であった。口に入れて最初に感じたのは蒟蒻のような独特の弾力で、次いで抑えめながらコクのある甘さが味覚に流れてきた。言わば透明感のある濃厚さはゼリーを想起させる。
そしてそのマイルドかつ奥深い味わいが、パンチのある香りと口内で絶妙な押し引きを繰り広げ、結果としてバランスの取れたプリンのフレーバーを織り成している。重すぎず、べたつかず、すっきりしていて飽きない。
つまりどういうことか。「蒟蒻畑プリン味」の正体とは何か。蒟蒻のような食感、ゼリーのような口当たりの軽さ、プリンのような風味。三つのうちのどれかではない。全てである。三位一体なのである。
蒟蒻でありゼリーでありプリンである食べ物を作るという、ともすれば爆音を立てて空中分解しそうなアイデアが、こうして実現していることに驚きを禁じ得ない。企業努力なのだろう。自分がそんなミッションを授けられたら、際限なく暗礁(あんしょう)に乗り上げる自信がある。
ともあれ、この奇妙でいて完成度の高い商品の魅力を、少しでも皆さんにも伝えられていれば幸いだ。販売は期間限定とのことなので、興味が湧いたら早めに入手してほしい。思い立ったが吉日である。
少なくとも筆者は、「蒟蒻畑プリン味」に親しみを持ち始めているし、色々な意味で出会えたことに感謝もしている。「ネタにできてよかっただろう?」と肩を組まれているかのようだ。嗅覚や聴覚だけでなく、触覚まで芽生えてきたらしい。
参考リンク:マンナンライフ「蒟蒻畑」ブランドページ
執筆:西本大紀
Photo:Rocketnews24.
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西本大紀






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