「目が見えないことは人と物とを切り離す、耳が聞こえないことは人と人とを切り離す」とは、ヘレン・ケラーの有名な言葉。外見上どのような障害を抱えているか分かりにくい聴覚障害は、周囲から理解を得られなかったり、他者と上手くコミュニケーションが取れずに孤立してしまったりするという。

そんな耳の不自由な人が、初めて誰かの声を聞いたときには、どんな気持ちがするものなのだろう? これからご紹介する1本の動画を見れば、その気持ちが少しは想像できるかもしれない。それは……初めて「お母さんの声」を聞いた耳の不自由な赤ちゃんの動画だ。

この度、クリスティ・キーンさんが、娘チャーリーちゃんの動画を YouTube と Instagram 上で発表した。2017年8月、チャーリーちゃんは重度の聴覚障害を持って生まれてきたそうで、動画には初めて補聴器を付けたときの様子が収められている。

お母さんから「こんにちは」と優しく声をかけられると、チャーリーちゃんはたちまち嬉しそうな表情を浮かべる。いや、それは “嬉しそう” と一言で片付けられない、なんだか複雑な感情が混ざりあった表情のようにも見える。

お母さんの声に合わせて、その表情は微妙に変化する。口をへの字に曲げて泣きそうになったり、淡い笑みを浮かべたり、感極まったように顔をしかめたり……。これにはクリスティさんも、「あなたのそんな表情、見たことないわ」「なにか感じているの? お母さんも泣けてくるよ」と驚きの声をあげている。

動画を見た人々からも「彼女の表情に感動してしまった」「愛しすぎる」「赤ちゃんがこんなに繊細な表情を見せるなんて」などのコメントが寄せられており、再生回数は YouTube と Instagram の合計で600万に迫る勢いだ。

動画の最後、チャーリーちゃんは静かに涙ぐんでいるような姿も見せるのだった。

参照元:Instagram @theblushingbluebirdYouTube / Jukin Media
執筆:小千谷サチ