2017年も6月になろうとしており、次第に夏らしい陽気となってきた。欧州サッカーはいよいよシーズン終盤。日本代表・香川真司選手の所属するボルシア・ドルトムントも先日の試合でリーグ戦を終えた。

ただ、今季に彼らを襲った事件を決して忘れてはいけない。そう、4月11日にチャンピオンズリーグ準々決勝でモナコ戦に臨む予定だった彼らのチームバスが、爆弾で襲撃されたテロのことである。

・ブログで恐怖を告白

ホテルからスタジアムへ向かうバスを襲ったテロ事件は、イスラム系が関与しているとの見方もあったため、世界中で大きく報道された。爆発物の影響でバスのガラスが割れ、チームメートのバルトラ選手は手首を骨折して病院に搬送。試合も延期される事態になった。

あれから約1カ月、リーグ戦を終えた節目で香川選手が「爆弾テロ」の恐怖を自身のブログで告白。「伝えたい事」というタイトルで公開したブログには、事件当時の心境や状況が綴られており、苦しい胸の内を明かしている。

・いまも傷跡を残す

冒頭で近況を報告すると、話はテロ事件のことへ。いつもように動き始めたバスが100メートルほど走ったところで襲撃され、混乱に包まれるバス内。爆発なのか、それともバスが銃で撃たれたのか……。

そんな起きている状況を把握できないまま、選手たちの叫び声が飛び交い、香川選手自身も気が動転。恐怖のあまり座席下にしゃがみこみ、身を守ることに必死だった様子を記しており、読んでいるだけで想像を絶する恐怖が彼らを襲ったことがわかる。

また、香川選手はまったく眠りにつくことができず、今も恐怖に襲われていることも告白。事件後、やっと眠れたと思いきや、同じ情景、同じ音、またバスのガラスが割れる夢を見たという。

・香川選手の思い

株価の暴落を狙って事件を起こした犯人は逮捕され、時間も過ぎたものの、その恐怖はいまだに選手たちの心に深い傷跡を残している。香川選手は「世界がこのような恐怖や、争いのない世の中になって欲しい。切に願います」と悲劇が二度と起こらないようコメント。カップ戦への意気込み、サポーターへの感謝の言葉で文章を締めている。

参照元:香川真司 オフィシャルブログ
執筆:原田たかし