がん治療中の母親が体力が落ちてしまい、外出に車椅子を使うようになったのが昨年の夏のこと。
車椅子は足の不自由な人が使うものだと思っていたが、急に身近なものになった。街なかで実際に車椅子を押してみると、見える世界が変わってくる。小さな段差ひとつが大きな障害になるので行ける場所が限られるのだ。
街を歩きながら「ここにお母さんと一緒に来ることはできるかなあ」と、気になるようになった。
健常者である私がバリアフリールートを使ったからといって、当事者の気持ちが完全に理解できるわけではないが……。1日バリアフリールートだけを使って東京の街を移動してみることにした。