【検証】10月26日『インターネット誕生日』→ 逆に1日「ネット・パソコン・スマホ無し」で仕事したらこうなった(2ページ目)
・執筆へ
メンタル的には死亡寸前でしたが、事務所に辿りつきました。いよいよ執筆です。いつもならパソコンで作業をしますが、今日は使えません。
仕方なく「原稿用紙」に書くことにしました。
原稿用紙に文字を書くなんていつ以来でしょう? もしかしたら高校生だった20年ほど前かもしれません。ちなみに20枚入りで120円くらいでした。
今回執筆する記事ですが、書く内容は既に確定しているので、普段なら画像の処理などを込みで1時間もあれば書き上がります。純粋に執筆だけなら、30分くらいでしょう。
ところが書き始めてすぐに問題が発生しました。とにかく消しゴムを使う頻度が高いのです。普段はポチッと「デリート」押すだけでOKなのに……1文字直したいだけなのに……それら全てを消しゴムで消さなくてはならないのです。
それでも、自分で言うのは何ですが、筆の早い僕のことです。何とかペースを掴みました。ただ、またも厄介なことが起きました。
漢字が書けないのです。
パソコンならば勝手に変換してくれますが、その機能に慣れ過ぎたせいでしょうか、漢字が全然書けなくなっています。「逮捕」の「逮」とか、みなさん書けますか?
しかし、ここで平仮名だらけの原稿にするわけにはいきません。ちょっと偉そうですが、僕は漢字や平仮名、カタカナのバランスにも気を使って執筆をします。平仮名だらけだと、そのバランスの見極めができません。
そこで用意したのが「国語辞典」です。こちらも原稿用紙同様、何年ぶりに触るかわかりません。国語辞典は3000円でした。
・はかどらない執筆
あとは悪戦苦闘を繰り返すだけです。漢字がわからなくなったら辞書で調べ、間違えたら消しゴムで消し、そのたびに原稿用紙がクシャクシャになっても めげずに書けばいいのです。
ところがここで痛恨の取材ミスが発覚してしましました。一部の衣装の値段が、写真に収められていなかったのです。これは大問題です。
やはり値段が記載されていた方が、読者のみなさん的にも親切ですよね? 通常ならネットでドンキの電話番号を調べて問い合わせるのですが、ネットが使えません。かといって出かけるのも嫌です。
104を使いました。
無料電話案内の104を使ったのも久々。ここでドンキの電話番号を調べ、ドンキに問い合わせて問題は無事に解決しました。104では60円かかっています。
……結果、純粋な執筆だけで約2時間かかりました。先ほども言いましたが、ドンキの店員さんが教えてくれたことだけを書くだけの簡単な記事です。いつもなら、かかって30分でしょう。ただこれで終わりではありません。
出来上がった原稿用紙を、誰かに打ち込んでももらう必要があります。これは偶然目があったYoshioにお願いしました。秘密のDVDをプレゼントすると伝えたら、嬉々として作業してくれたので一安心です。
そこまでボリュームのない原稿でしたが、打ち込みだけで20分が経過しました。その間、やる事がありません。打ち込みを終えたら、次は画像の処理です。
これも、秘密のURLをセットでプレゼントすることを条件に、Yoshioが引き受けてくれました。本当にYoshioは好きですね。
──ところがどっこい、ここでまたも問題が発生しました。写るんですの件です。佐藤はかたくなに「写るんです使えよ!」とゴリ押ししてきます。仕方ないので、新宿駅西口の「カメラの北村」で現像することにしました。
・写るんです問題
佐藤いわく「40分で現像できる」とのことでしたが、店員さんによると「今なら最速で1時間」とのことです。ここまで来たならお願いするしか選択肢はありません。
普段なら、ここでパソコンを使い原稿を書くか、スマホをいじって時間を潰すか、ポケモンGOにいそしむか……などなどワリと余裕で1時間くらいなら潰せます。
しかし……暇です。暇すぎて死にそうです。あまりにも暇だったので、すぐ近くにあったブックオフで「特盛! 植田まさし」を100円で購入しました。余計な出費でしたが「おとぼけ課長」が面白かったです。
ようやく1時間が経過し、写真を無事に受け取り。事務所へ帰りました。しかし……どれもこれも使える写真がありません。どれ一つとしてありません。
よく言えば「風合いのある」「味わい深い」写真ですが、シンプルな綺麗さだとデジカメの圧勝です。とにかく暗いのは、記事にする上で致命的。というわけで、写るんですの写真は全てボツになりました。時間返せ。
・記事完成
気持ちを切り替えて、Yoshioと一緒に記事に使用する写真を決め、加工してもらいます。そしてブログシステムに当て込んでもらい、確認を経て、ようやく記事が完成しました。それがこちらです。
【ハロウィン】ドンキで聞いた「売れ筋 & オススメコスプレ」5連発!
確認作業の際、薄々気づいていたのですが、とんでもなくシンプルな記事です。僕はどちらかと言えば表現力が豊かだと思うのですが、この記事に関して言えばそのカケラも見当たりません。
一言でいえば、消しゴムで消してもう1度書き直すのがツラかったのだと思います。意識してシンプルになったのではなく、手書きという作業がそうさせたのでしょう。
パソコンならもっと違う記事、さらに言えば僕らしい記事になっていたと思います。逆にいうと、自分らしさすらネットやパソコン、スマホがないと表現できないのかもしれませんね。
写るんですでのタイムロスはありましたが、結果として1本の記事を書くのに7時間ほどかかってしましました。Yoshioに協力してもらった時間を考えると、さらに時間は上積みされます。
普段なら取材時間や移動時間込みで、かかっても2時間の記事でしょう。ネット・パソコン・スマホが使えないと5時間も余計な時間がかかるとわかりました。
また、「原稿用紙」「消しゴム」「国語辞典」「特盛! 植田まさし」で合計4000円ほど使ってしまいました。もちろん、インターネットもタダではありませんが、長いスパンで考えると十分に元は取れているのではないでしょうか。
いかがだったでしょうか? たまに「スマホやパソコンが使えないお寺で山籠もりするとリフレッシュできる」なんて話も聞きますが、少なくとも僕はストレスフリーの真逆、ストレスフルの1日でした。
僕は「ネット・パソコン・スマホ」が無いと話にならない職業ということもありますが、読者のみなさんにも少なからず当てはまるシーンがあったのではないでしょうか?
なお、もう2度とこの企画はやらないことをここに宣誓しておきます。ネット中毒と言われても構いません……。
やっぱりインターネット最高ォォォォォオオオオオオオ! インターネット誕生日おめでとォォォォオオオオオオオオ!!
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼写るんですで撮った写真。昼間なのに夜のよう。
▼食事中もネットが出来ずに孤独だった……2度とやらない。