ソーシャルメディア・ハラスメント、略してソーハラ。X(Twitter)やFacebookなどのSNSを通して行われる嫌がらせ行為を指す言葉だが、つい先日、この世の終わりのようなソーハラを目撃した。というより、実際に食らってしまった。

ソーハラを行ったのは当サイトの名物記者・佐藤英典だ。 インターネット界のレジェンドとして名高い佐藤パイセンだが、残念ながら今後は「ただの歩くソーハラ」と認識を改めざるを得ないだろう。その理解不明な生態について、以下でお伝えする。

・事件

ある日のロケットニュース編集部。何の変哲もない、静かで穏やかな日だった。あの男がやって来るまでは。


佐藤「うっす」


いつも通り取材を終え、少し遅れて出社してきた佐藤。皆と軽く挨拶を交わしながら自分のデスクに向かって歩いていく。これまで幾度となく見てきた光景だ。ところが……。


この日の佐藤の行動は、普段と若干異なっていた。背負っていたリュックを降ろしたかと思うと、なぜかいきなり私の名前を呼んだのである。


佐藤「あひるねこ」


「はい?」

・嫌な予感

私と佐藤の席はそれなりに離れている。ある程度、声を張らないと届かない距離だ。わざわざ話しかけてきたということは、何か大事な用なんだろう。撮影の協力か? 取材の同行か? その場合、スケジュールの確認が必要になるが……。


しかし次の瞬間、佐藤が発した言葉に私は思わず耳を疑った。


佐藤「俺のTwitter見た?」


俺のTwitter見た……?


・意味不明

どうやら聞き間違いではないようだ。いろいろと疑問は尽きないが……まずはこれだけ言わせてほしい。なぜ見ていると思った?



どうやら佐藤の脳内では、「後輩は自分のSNSをチェックして当たり前」という謎の常識が確立しているらしい。「このワシが10分も前に投稿したんだから、とっくに内容は把握してるよな? な?」とでも言いたげである。くっ……! メガネ割りてぇ……!!


一体どうやって、何を考えて日々生きていたらそういう思考回路になるのか? なぜ周囲の人間全員が自分に興味を持っていると、当然のように思えるのか? 甚だ疑問であるが……ここで私は偶然、あるとんでもない事実に気付いてしまった。


これは私のアカウントから見た、佐藤のXのプロフィール画面である。特に変わったところはないように思えるが、よくよく見ると……バ、バカな! マジかよ……!!


私のことフォローしてねぇ……!


・衝撃のノーフォロバ

Xでは相手が自分のことをフォローしていると、アカウント名の横に「フォローされています」と表示される。しかし佐藤のプロフィール画面を見る限り、そういった記載はどこにもない。これが何を意味するか?

そう、つまり私が一方的に佐藤をフォローしている状態なのだ。ファンかよ! ロケットニュースに入った2015年からフォローしてるけど初めて気付いたわ!!

言うまでもなくSNSとは「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」の略だが、今は「さとう! ナメんな!! さとう!」という気持ちでいっぱいである。ブロックした上で通報したろか。



以上を踏まえた上で、改めて先ほどの発言を振り返ってみよう。どうか気を確かにご覧いただきたい。出社してくるや否や、佐藤が私に向かって言い放ったセリフがこれだ。


佐藤「俺のTwitter見た?」


……あのおっさんは自分をBTSのメンバーか何かと勘違いしているのだろうか? 自分の投稿をファンが心待ちにしているとでも?

いや、おそらく世界的スターであるBTSの方がはるかに謙虚だろう。さすが「未曾有のクズ」と呼ばれるだけのことはある(呼んだのは私だが)。いや、もはやそんな言葉ですら生温い。


かなり控えめに言っても、歩く未曾有のソーハラクズ。自分のことをBTSか何かだと思い込んだ状態で自走する、未曾有のソーハラクズおじさんである。もう重火器の類やん。「俺のTwitter見た?」じゃないんだよ。その前に自分を省(かえり)みろと言いたい。



・NO MORE ソーハラ

ここまでハイクラスなモンスターにはめったにお目にかかれないと思うが、皆さんもソーハラにはくれぐれもお気を付けくださいね。ちなみに、佐藤が「俺のTwitter見た?」と聞いてきた今回の事件の発端とも言えるポストがこちらです。


「【業務連絡】新宿靖国通りにびっくりドンキーが帰ってきたぞ~!」


…………。


どうでもええわ!!!!!


– 完 –

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:X(iOS)