「ドン・キホーテ」は驚安の殿堂。驚くべき数の商品を、驚きの価格で提供しており、近年は自社商品の開発を積極的に行っている。弁当総菜にも力を入れており「偏愛めし」というブランドを立ち上げて、他の製品に負けない驚きを提供している。

そのドンキに関して、俺史上最高に驚くべき事実が判明した! 2023年8月に渋谷・道玄坂にオープンしたばかりの「ドミセ渋谷店」が閉店していたのだ! え!? まだ1年経ってないのにマジかよ! お店に行ってみたら、閉店理由が当たり前すぎてちょっと泣いた……

・わずか8カ月で閉店

そんなに早く閉まることってあるの? そもそも、私(佐藤)はドンキが閉店するなんて話は初めて聞いた。少なくとも私の生活圏(新宿・中野)のドンキは、この約20年で1軒も潰れていない

それなのに、ドミセは1年もたなかったなんて信じられない。とにかくお店のある大型複合施設「道玄坂通 dogenzaka-dori」に行ってみよう。


この施設は「株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」(PPIH)が開発・運用を行っている。PPHPとは、そうドンキの会社だ。つまりドンキの会社が造ったビルに入ったドンキが閉店したのである。

そんなことってホントにあるもんなの!? 私はいまだに信じられない。



店舗はこの中、1階の中央辺りにあったはずだ。


あ、ここだな。マスコットのドンペンが笑顔で「WELCOME」って言ってる。歓迎姿勢は良いのだけど、肝心のお店が……。


そういえば、オープン当初、店内は商品であふれ返っていたよな。ドンキ式の商品陳列で、ド派手なPOPと賑やかな音楽で、お祭りみたいな高揚感があった。


このお店の最大の特徴は「ドすべり商品コーナー」。過去に自社開発したスベリ商品を集めて販売していた。どこに需要があるのかわからないものばかりで、購買意欲をそそらない。けど、面白いものがたくさんあった。


まさか店ごとスベるとは、驚きというよりほかない



で、お店は今(2024年4月9日)、どうなっているかというと、シャッターが降りていた……


本当に閉店したんだな。ドンキ史上最短の営業記録ではないか? と勘ぐらずにはいられない。


閉店理由について、とても丁寧に記されていたので紹介しよう。


「ドミセ渋谷道玄坂通店は、ドン・キホーテのオリジナル商品を中心にした品揃えで営業してまいりました。

しかし、「道玄坂通」の向かいには、ドン・キホーテ渋谷本店があり、ドミセならではの魅力をうまく発信しきれないことも相まって、想定していた集客や売上を達成できず、閉店の判断に至りました」



知ってた。たぶんこの辺に買い物に来る人は、ドンキといえばアッチのことを指すと思っていると思う。わざわざ、コッチに来なくても、アッチで買い物できるものね。だいたい、アッチは路面店でデカい看板掲げてるから、自然と足がそっちに向いちゃうしねえ。


スベリ商品を集めて差別化するのは良いと思うけど、先にも述べたようにそれが購買につながらなかった。無理に継続するよりも、早めに閉店を決めたのは、賢明だと思う、うん。


ポスターには「ド」が両手をつき、涙する姿が。その涙は哀しみの涙か、それとも悔し涙なのか。まさか渋谷本店の存在が閉店要因のひとつになるとは思わなかったのだろう。



しかしながら、転んでもただでは起きない。それがドンキだ。この場所はすでに「キラキラドンキ」に生まれ変わることが決定しており、4月23日にリニューアルオープンする。

早い! 次の一手がめちゃくちゃ早い!


大きな改装や商品の搬出入をしている様子はないようだが……。リニューアル工事はこれからなのだろうか。


いずれにしても、早期閉店は賢い考え。ドミセにこだわらなくても、ドンキには売れるものがトンデモない数あるのだから。とはいえ、渋谷本店の目の前にあることは変わらない。次は長く続いてくれると良いのだが……


・今回訪問した店舗の情報

店名 ドミセ渋谷店(2024年4月23日よりキラキラドンキ 渋谷道玄坂通ドードー店)
住所 東京都渋谷区道玄坂2-25-12 道玄坂通内

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24