「驚安の殿堂 ドン・キホーテ」は総合ディスカウントストアだ。ここに行けば探しているものは、大抵見つかる。こんなのあるのか! と驚かされることもしばしばだ。

2019年に総合スーパーの「ユニー」を子会社化して以降は、生活必需品や食料品を扱うようになり、 “雑多なディスカウントストア” ではなくなった。郊外の大型店舗では生鮮食品を多数扱っており、価格が安いと評判になっている。

その食品分野でも、とくに侮れないのが持ち帰りピザだ。ドンキのピザ? それ本当に美味いのか? 実際に利用してみたところ、安いのはもちろん、価格を超える美味しさだった。まさかドンキのピザに驚く日が来るとは……。

・ドンキのピザ

運営元「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」は、ここ数年ドンキとユニーのダブルネーム店舗を各地にオープンしている。これまで家電や雑貨が主流だったドンキに、ユニーの食料品が加わることによってブランド力が高まり、新規開店・リニューアルオープンを続けている。このコロナ禍でかなり攻めている。

食品分野を獲得した強みを生かして、既存店でも独自の食料品販売を始めている。「トロリスタ」も、そのひとつだ。しかしまだ店舗数は少なく、現在(2021年5月)は愛知・岐阜・沖縄、そして東京にそれぞれ1店舗ずつしかない。今回訪問したのは都内で唯一トロリスタのある、「MEGAドン・キホーテ大森山王店」である。


お店に行くと、トロリスタをオープンしたことを知らせる立て看板を発見した。「チーズを体感するトロリスタ」は4月28日に誕生したようだ。


「チーズホリックの闇ワールド」、中二病を感じさせる怪しい漫画が載っている。なんだコレは……。


・10インチ798円、12インチ980円

お店に入ると、ベーカリーの一角に専用の販売台が設けられている。これがトロリスタだな。並んでいる商品を見てみると……。


安い! 10インチ(約25センチ)のピザが1枚税別798円、12インチ(約30センチ)が税別980円だ。


宅配ピザと比べると半額以下に相当する値段だ。つくり置きではあるけど、この安さはうれしい。持ち帰って味をたしかめるとしよう。

購入したのは、10インチの「濃厚チーズピザ ダブルチェダー」(税別798円)と、12インチの「ペパロニとオリーブピザ」(税別980円)、それに12インチの「照り焼きチキンチーズマヨピザ」(税別980円)をそれぞれ1枚ずつだ。


・レンチンでウマくなる

箱を開けてみると、トッピングがちょっと味気ないかも……。だが、価格を考えればこんなものではないだろうか。




そのままでも食べられるけど、レンジで加熱することを推奨している。500ワットで1分30秒から2分の加熱が目安なので、それにしたがって、それぞれカットしたものを温めてみた。すると……。

先ほどまで「味気ない」と感じたはずなのに、温めると表面のチーズが溶けだして美味そうな見た目になった! ひょっとして、コレはレンチン用に調理されたピザなのか? 実際に食べてみると、やっぱりウマい! 生地は薄目のパンタイプで、正直なところ生地はごくごく普通。可もなく不可もない味だ。


それよりもチーズがウマい。トロリスタと名づけるだけあって、トロけるチーズがクセになる味だ。生地よりもチーズにフォーカスして味を組み立てて、そこを強みに店の方向性を決めたのかもしれない。価格も安いので、お得感はかなり高いだろう。

これからトロリスタの店舗が増えていけば、宅配ピザにも影響を与えるようになるのかも……。今後の店舗展開が気になるところである。

・今回訪問した店舗の情報

店名 MEGAドン・キホーテ大森山王店
住所 東京都大田区山王3-6-3
時間 8:00~ 3:00

参考リンク:ドン・キホーテ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24