「驚安の殿堂ドン・キホーテ」は2021年5月21日に新業態の「お菓子ドンキ・お酒ドンキ」をオープンした。ここは名前が示す通り、お菓子とお酒を専門に扱う店舗である。

実際に店舗に行き、私(佐藤)はちょっと感動してしまった。なぜなら、ドンキらしさにあふれており、未知の商品に出会うことが楽しかったからだ。買い物の楽しさを思い出した気がする

・年間累計販売点数の説得力

お店は東京駅に直結する八重洲地下街にある。「お菓子ドンキ」と「お酒ドンキ」のエリアは通路を挟んで分かれており、2つで1つのお店として成り立っているようだ。まずはお菓子の方から見てみよう。


中に入ろうとしたところで私は足を止めた。なぜなら、「お菓子」と言いながら大々的に陳列されていたのは「一蘭ラーメン」である。お菓子とちゃうやんけ!


さらに中に入ると、昆虫食! お菓子とちゃうやんけ!


余計なものを売らせたら日本一の総合ディスカウントストア、さすがドンキである。ただでお菓子を売るはずがない。まるでトラップのように、いろいろなものを狭い店内の各所に仕掛けている。

しかし、奇をてらっているだけじゃない。どこにでもありそうな普通のお菓子でさえも魅力的に並べている。たとえば「柿の種」などのスナック菓子でも、年間累計販売数を添えることで、ありきたりの商品の魅力を高めているのだ。「チーザ」は年に7万7000点も売れているのか! 知らなかった。


中には販売数が100万点も越えているものもあり、それを見ると普段は買わないものでも、「買ってみようかな」という気になる。


・普段飲まないのに買う気にさせられる

お酒ドンキも、商品をより魅力的に見せる工夫があちこちに仕掛けられていた。


まず驚いたのは「ウイスキーガチャ」だ。限定100本、1回3500円でハズレなし。当たりは金額以上のウイスキーなのだとか。残念ながらこの日は売り切れ。どんな高額商品が潜んでいるのか、確かめたかったなあ……。


そのほかに、世界のビールや60種類以上のミニチュアボトル。それから見知らぬリキュールが大量に置かれている。たとえば、食用花が入ったリキュール「月華」や「フェリーチェ」など。グラスに注いだら見映えしそうだ。


コカの葉を使った「コカレロ」。これはもしや、ハイになれるヤツか?


そして音楽好きには堪らない、アーティストにゆかりのある商品もいろいろ取り揃えていた。ロックバンド「モーターヘッド」のリキュールや、故・遠藤ミチロウ氏のバンド「ザ・スターリン」のカバージャケットを採用したウォッカなど。


並んだ品々を見ていると、酒好きがどういう属性の人か把握していることがよくわかる。ただ単純に派手なPOPで飾り立てている訳ではなく、どういう人が商品を手に取るか、見極めているようだ。お酒が好きな人なら、きっと何かを買わずにはいられなくなるはず。

私も普段は飲まないけど、酒そのものが嫌いな訳じゃない。だから、ここに居るのが楽しい! 商品を見ていてワクワクしてしまう


そうしてドンキの策略にハマった私は、「手ぶらで帰るのはもったいない」と思ってしまった……。ということで手にしたのは、小売店ではここが日本初の販売店となる、ペットボトル生ビール「マーベリックス ビアステーション」を2本買って帰ることにした。


・ペットボトル生ビールを購入

購入したのは、「ヴァイツェン」と「デュンケル」。それぞれ税別850円である。マーベリックス ビアステーションは2020年12月に通販のみで販売開始になった商品だ。瓶や缶が一般的なビールを、特殊なコーティングを施した専用ペットボトルに詰めている。


飲んでみると、ヴァイツェンは華やかでフルーティー。デュンケルは柔らかな苦味とほのかな甘さが特徴だ。ペットボトルに入っているのでチープな印象を受けるが、味は上質である。瓶・缶のようにゴミ出しを気にせず、手軽に飲めるのも良いね。



コロナ禍で飲みに出ることもなくなり、酒を飲もうという気さえ起きなかった。そんな自分がビールを買って帰ることになるとは……。ドンキの購買を呼び起こす力には恐れ入った。私はウイスキーガチャに挑むために、再びお店を訪ねることになりそうだ。小さな店内にアイディアの詰まったお菓子ドンキ・お酒ドンキ、気になる人はチェックしてみて欲しい。


・今回訪問した店舗の情報

店名 お菓子ドンキ・お酒ドンキ
住所 東京都中央区八重洲2-1八重洲地下街北1号
時間 9:00~11:00

参考リンク:ドン・キホーテ(PDF)、@Press
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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