ムーガタ(ムーカタ)と聞いて何のことかわかった人は、相当な “タイ通” であろう。ムーガタとはタイの焼肉兼鍋料理のことで、密かに日本でも流行の兆しを見せているという。

ムーガタ? というか、焼肉兼鍋料理って? タイ料理が大好きな私も、つい先日までその存在を知らずにいた。……が、今なら言える「ムーガタ最高。マジで流行りそう」と。

・1歩先のタイ料理

ここ数年、日本でも気軽にタイ料理を食べられるようになった。専門店は当然として、スーパーやコンビニでも「トムヤムクン」や「グリーンカレー」を目にする機会は多い。

一方で、その「トムヤムクン」や「グリーンカレー」など代表的なメニュー以外は、さほど一般的でないこともまた事実。タイ料理と聞いて10種類以上を挙げられる人は、そう多くないことだろう。

さて、タイ及びにタイ料理が大好きな私もせいぜい15~16種類のメニューを言えるかどうかで『ムーガタ』に関しては、存在そのものを知らずにいた。タイで鍋と言えば「タイスキ」しか思い浮かばない。

未知のタイ料理『ムーガタ』とは何なのか? しかも密かに日本でもムーガタを食べられる店が増えているらしい。……これは行くしかあるまい。というわけで、湯島の「MOOKATA」にお邪魔することにした。



・初めてのムーガタ

同店はムーガタの専門店で、食べ放題スタイルのお店。アラカルトのタイ料理も複数用意されているが、私が伺った時はほぼ100%のお客さんが『ムーガタ』を注文していた。

また価格は食べ放題が99分で2968円。ドリンクは別料金でシンハーやチャンなどのタイビール、さらにはパクチーがどっさり入った「バンコクハイボール(1299円)」なども取り揃えられている。

さて、着席するとテーブルにはジンギスカン鍋のような、膨らみを帯びた鍋が。鍋の淵に割と広めの溝があることが特徴で、そこにお湯を入れればスタンバイは完了だ。

で、あとは肉・レバー・海老・イカ・ソーセージ・野菜・春雨などなど、好きな具材を焼いても煮てもOK。そう、同じ食材を焼いても良し、茹でても良しのハイブリッド鍋が『ムーガタ』なのである。



・感激のウマさ

そしてこれがめちゃめちゃウマい! 正直な話、肉もエビもイカも野菜も決して特上品ではないハズ。スーパーで買えそうな食材と言われればその通りとしか言いようが無い。

……が、それでも超絶おいしく感じるのは何故なのか? 秘密は食材をつけて食べる2種類のソース、真っ赤な「シラチャーソース」と鮮やかな「グリーンソース」にありそうだ。

酸味が強めで辛さがマイルドな「シラチャーソース」は、完全にタイの味! 肉やレバーなどと抜群にマッチし、恐ろしいほどお酒が進む味わいに変化する。

また、鮮烈な辛味の「グリーンソース」はほどよくナンプラーが効いており、こちらも完全に本場の味としか言いようが無い。どちらもチャオプラヤー川のせせらぎが聞こえてきそうな “ガチタイの味” であった。

・本気で流行りそう

それを裏付けるかのように、この日はタイの方と思(おぼ)しきお客さんの姿もチラホラ。好きなだけバクバク食べて、ガンガン飲む! 味・ガチ感・気軽さを兼ね備える『ムーガタ』は真面目に流行るかもしれない。

カオマンガイも良いし、パッタイも良い。……が「タイ料理が大好き!」という方は、1歩進んで『ムーガタ』を召し上がってみてはいかがだろうか? きっと新たなタイ料理の魅力に気付くに違いない。



・今回訪問した店舗の情報

店名 MOOKATA 湯島店
住所 東京都文京区湯島3-42-9
時間 月-金 17:00~23:00 / 土日13:00~23:00
定休日 無休

執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.