あ、ありのまま今起こった事を話すぜ。
筆者は可憐なお嬢様系のファッションブランド「FRAY I.D」の福袋を試着していたはずなのに、いつのまにかゴリラみたいに服を破り捨てそうになっていた……。
読者の皆様は「なんのこっちゃ?」と思うだろうが、実際に起きたガチの話である。事の顛末(てんまつ)を話そう。
・全身コーディネートできる福袋(1万1000円)
FRAY I.Dの福袋は全身コーディネートができる5点入り。
内容は事前に公開されており、お嬢様っぽい雰囲気に魅力を感じて購入した。普段の自分とはまったく違う系統のファッションだけど 福袋なら気軽にトライできていいよね。
1枚ずつ紹介すると、まずは青い花柄のワンピース。
ゆるっとした素材感ながら、ウエストにゴムが入っていてキュッと絞られる。可憐な雰囲気にさせてくれそうだ。
実際に着てみると まさに第一印象通り。
「少女チック」と言うと年齢的にダウトだが、高嶺の花ってこんな感じだろうな と思わせてくれるようなオーラがある。華奢っぽく見えてシルエットもキレイだね!
続いてくすみピンクのニットと、
白いマーメイドスカート。
「ウッ」と焦ったのは、筆者がこういったマーメイドスカートが苦手だから。もともとよくないスタイルが更に悪化するというか、太ももがパツパツに見えて嫌なんだよな……。
勇気を出して着てみると、こう!
キレイめなお姉さんっぽい雰囲気で意外と悪くないかも。もちろん「スタイル抜群か?」と聞かれると苦笑いするしかないが、最悪の事態は避けられた。
最後はコート。ボタンのないシンプルな作りで、ゆるっとしたシルエットが体形隠しによさそうだ。
ワンピースに羽織るとこんな感じ。
薄手のワンピースとの組み合わせなので 季節感はチグハグだが、雰囲気はいい感じ。お上品な世界観がしっかり見えるぞ!
セーターとマーメイドワンピースには、季節も含めてばっちりマッチ。
うんうん、こういう服を求めていたんだよ~~!!
・突然のゴリラ
「いやいや普通に喜んでるしよかったじゃん」「いい福袋だったじゃん」ここまで読んだらきっとそう思うだろう。
それならどこにゴリラが出現したのかっていうと……ワンピースを脱ぐ時である。
次の服へ着替えようとした時、肩や腕がワンピースから一切抜けず 思わず「イギギ……グゥッ」なんていうお嬢様から一番遠そうな声が出た。
さらに悪いことには、もがいているうちにどこかが「ミチッ」と嫌な音をたてた。
や、やばいっ! パニックになりながら上半身をぶんぶん振って肩をすぼめ、「グォォ」とうめき声をあげる。もはやゴリラ通り越してキングコングだ。
結局 昼寝をしていた夫を叩き起こし、スカートのすそを持って頭の方向に引っ張ってもらうことで なんとかギリギリ自由の身になった。この状況、一人暮らしだったら破り捨てるしかなかったんじゃないか?
この「ギリギリゴリラ事件」の原因はおそらくコストカットにあるのだろう。
実は今回の福袋ではすべての服にボタンやチャックが付いておらず、ゴムでフィットさせる仕様になっている。
ワンピースもスカートも、ボタンが付いているように見えるのはすべて飾り。その結果ここまで脱ぎにくいワンピースが誕生してしまったのである。(まぁ、華奢な人なら問題なく脱ぎ着できるんだとは思うけどね)
様々なものが値上がりし、たぶんファッション系福袋によくある価格設定1万1000円に無理が出てきてしまっているのだろう。
確かににチャックやボタンを減らせばコストカットにはなるが、着られない服ができてしまっては意味がないような気がする。
「来年はもう少し高くなってもいいから 着続けられる服がゲットできるといいなぁ」なんて思った昼下がりでした。
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.