別に忙しぶってるワケではないが、私(サンジュン)ここ数年ほとんどテレビを見ていない。中でも確実に10時間以上は取られるドラマはもってのほかで、最後にきちんと見たドラマは2002年放送の「ランチの女王」までさかのぼる。

一方で評判がいいドラマが気にならないと言えばウソになる。というわけで、いきなり始まったシリーズ「ドラマの第1話だけ見てみる」は、当時空前の韓流ブームを巻き起こした『冬のソナタ』の登場だ。

・韓流ブームの火付け役

韓国で『冬のソナタ』が放送されたのは2002年1月のこと。翌年には日本でも『冬のソナタ』の放送が始まり、結果的に同ドラマは空前の韓流ブームの火付け役となった。その中心にいたのが、ヨン様こと「ぺ・ヨンジュン」である。

当時、私の叔母が『冬のソナタ』にドハマりしていたものの、逆に言えばイメージはそれくらい。もちろん視聴したことは1度もなく「なんか世のおばさんたちがハマっている韓国ドラマ」というのが、当時の私の率直な感想だ。

ただし、ヨン様自体にはふんわりとしたイメージを持ち合わせている。いつも笑みを絶やさず、ニコニコと手を振っているメガネの男。胸に手を置き「アイシテマス」と片言の日本語で語り、実は筋肉ムキムキのマッチョマン。ざっと私のヨン様像はこんな感じだ。

・ウソだろ

そんなヨン様が主人公を演じる『冬のソナタ』はどんなドラマなのか? どうせありがちなラブストーリーなんでしょ? ……と思いきや、少なくとも『冬のソナタ』の第1話は「カオス」としか言いようが無い展開であった。以下で詳細をご覧いただきたい。



・カオス1: ヨン様がまさかの高校生役

まず驚いたのが、ヨン様とヒロインのチェ・ジウが本人役で高校生を演じているということ。え……高校の頃の話なの? どちらかと言えば『冬のソナタ』にはトレンディードラマ的なイメージを抱いていたが、まさかの学園モノからスタートするとは。開始2分で驚きを禁じ得ない。


・カオス2: ヨン様がほぼほぼ笑わない

笑顔のイメージしかないヨン様だが、第1話で笑ったのは微笑が2度程度。それ以外は真顔、何ならちょっと怒っているくらい無愛想であった。ヨン様はビリケン様と同じくらいいつも笑っていると思っていたので、ほぼ真顔のヨン様はかなり新鮮だ。

なお、ストーリー的には超コテコテのラブストーリーで、転校生がヨン様。そして「あ、朝いたアイツ!」とクラスメイトで受け入れる側にチェ・ジウが配置されている。平たく言えば第1話は「王道少女漫画」的な展開であった。


・カオス3: ミステリー?

ほぼ笑わない転校生のヨン様は、クラスの女子にキャーキャー言われるくらいのイケメンで、運動神経も上々。さらに数学では天才的な頭脳を持ち、優雅にピアノまで弾ける超マシマシの設定だ。

さらに言えば、校門付近でタバコをふかすくらいのワルではあり、何かを聞かれても無言で押し通すくらいコミュニケーション能力は欠落している。加えて自身の出自(?)を探っているらしく、途中から「え、ミステリーなの?」と混乱してしまった。



・色々とだいぶ面白かった

まさかの学園モノで、ほぼほぼ笑わないヨン様。さらにミステリー的な要素もあった『冬のソナタ』の第1話は「カオス」としか言いようがない。中でも「笑わないヨン様」は最後までイメージと違って新鮮であった。

私が何も知らずに『冬のソナタ』の第1話を見たら「なんだこりゃ?」と思うかもしれないが、当時爆発的なブームを巻き起こした韓流ドラマ『冬のソナタ』の第1話だと思えば、かなり引き込まれるものがあったと申し上げるしかない。ぶっちゃけ、2話目も気になってます。

私のように『冬のソナタ』を見たことが無い人にとって『冬のソナタ』の第1話は、おそらく想像と全く違う内容であるハズ。このカオスが韓流ブームの原点かと思うと、感慨深いものがある『冬のソナタ』の第1話であった。

執筆:P.K.サンジュン
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