2023年9月14日にリーグ優勝が決定した阪神タイガース。道頓堀で狂喜乱舞するファンの姿は、ニュースやメディアを大いに賑わせた。

一夜が明けた9月15日の朝。ふと気になったのが、優勝翌日の道頓堀は一体どうなっているのだろうか? ということ。

引き続きファンが押しかけているんだろうか? それともすっかり人がいなくなっているんだろうか?? 現地調査に行ってきたぞ!

・過去には悲しい出来事も

現地に行く前に、過去の優勝を振り返ってみよう。

前回の阪神優勝は2005年。その前は2003年。昔からタイガースファンたちは、優勝決定戦の夜に道頓堀へと集っていたらしい。

2003年に関しては一晩のうちに5000人(!)ほどが川へと飛び込んだのだが、そのうち1名が亡くなるという悲しい事故が起きた。その結果、2005年は大阪府警察本部による警備が強化されたのだそう。


興奮したり酔っぱらったりした状態で川に飛び込むと溺れるリスクがあるし、水は汚いし、冷静に考えて何もいいことないよなぁ……。なんて思いつつも、熱狂的な喜びや興奮が集団になると 必ず暴走してしまうものなのかもしれない。渋谷ハロウィンだってそうだしね。


ただし、当時はスマホが今ほど一般的でなく、Twitter(現X)すらもリリースされていない時代。動画撮影やSNSへのアップが目的じゃなかったってのは、今じゃ考えられないことだ。

ちなみに人だけじゃなく、1985年にはケンタッキーの店頭に立っていたカーネルサンダースの人形まで道頓堀に放り込まれたそうな。もうメチャクチャだぁ~!!


・優勝翌日の道頓堀を見に行ってみた

さて、今年の道頓堀の熱狂っぷりはニュースで放送された通り。歩道や橋の上は人でギュウギュウになり、現場には約1300人の警官が立って飛び込みや暴動を抑制したということ。

結局 それらをかいくぐった26人が川へとダイブしたそうだけど、群衆事故や水難事故が起きなくて本当によかったよ!


そんな狂喜乱舞の夜から約15時間が経過した、9月15日午後1時の道頓堀の様子が……こちら!


あれ? これって普通に、

いつも通りの道頓堀だよね?


・お祝いムードもなし

昨日までの虎一色はどこへやら。通行人の約8割は海外からの観光客である。

グリコ前で記念撮影をしている人は星の数ほどいれども、タイガースのユニフォームやグッズどころか、虎柄アイテムすら一切見当たらないのだ。


というか、ファンだけではない。商店街も見に行ってみたのだが、そもそも「祝」「優勝」といった文字をひとつも見かけなかったのである。

辛うじて見つけた関連アイテムは、コンビニに置かれた「タイガース優勝記念5紙セット」のみ。

マジのマジで、何事もなかったみたいにいつも通りなのであった。


──考えてみれば、道頓堀の周辺には阪神系列のお店がほぼないため当たり前なのかもしれない。

しかし あれだけのお祝いムードが一晩にして収まるなんて、キツネかタヌキに化かされたような気分になってしまうのは筆者だけだろうか?


なお、既にレポートをお届けしているが、梅田周辺では阪神梅田本店を中心に1週間程度はお祝いムードが続くと考えられる。

ファンの中では暗黙の了解として、優勝直後のお祭り会場はミナミ(道頓堀周辺エリア)、翌日以降の会場はキタ(梅田周辺エリア)となっているのかな。

執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

▼昨晩は封鎖されていたえびす橋のアーチ構造。今日はいつも通り解放されていた

▼道頓堀橋には、高さ2mのシートで壁が作られていたのだそう

▼橋の上から川を見降ろすと、意外と高くて足がすくむ

▼そして何より、川底が見えないほどに水が濁っている。この中に飛び込むのは……正直イヤだなぁ

▼お祭り騒ぎの名残だろうか。「ケツバット」と書かれた段ボールが落ちていた(一体何に使ったんだろう?)

▼昨晩は早々にシャッターを閉めて避難していたファミリーマートも、今日は元気に営業中

▼2003年にファンがよじ登って破壊された『かに道楽』の看板も無傷!

▼実はくいだおれ太郎も、過去に道頓堀に投げ込まれそうになったとか ならなかったとか

▼すぐ近くの国道26号線沿いに警察車両が並んでいたので、何事かと思って話を聞いてみると、

▼タイガースは一切関係なく、韓国領事館があるからということだった。田舎者の筆者にとって、警察官が並んでいるのはかなり非日常的な出来事。何事かと思ったよ……!

▼試合開始から約24時間が経過した夕方の道頓堀。相変わらず観光客でいっぱいでした!