タコが好きだ。煮て良し、焼いて良し、揚げても良し。鮮度の良いものは刺身で食ってもウマイ。なんといっても魅力は弾力のある歯応えだろう。

さて、タコの名前を冠した料理といえば真っ先に「たこ焼き」が思い浮かぶ。しかし、たこ焼きって言うほどタコが主役だろうか? どちらかというと、ソース&マヨの味を楽しむ側面が強いのではないかと思う。

一介のタコ好きとしては、もうちょっとこう、タコの主役感を前に押し出してほしいというか。そんな呟きから今回の記事は始まります……

・デカいタコを食わせろ

要するにタコが好きな筆者は「たこ焼きのタコ、もうちょいデカくても良いんじゃね?」と日頃から思っていたということである。ワガママで困った人ですね。

そんな欲求不満を抱えながら日々を過ごしていた筆者だが、ある日「これは」と思うたこ焼き屋の情報を発見した。なんとイイダコが丸ごと一匹入ったビックリたこ焼きが大阪にあるというのだ。

イイダコは一口サイズの小さなタコだが、たこ焼きに入れる相対的なサイズ比を考えれば、丸ごと一匹というのは破格のボリューム感である。これはもう、食べに行くしかあるまい?

・犬神家の一族

やってきたのは道頓堀にある「踊りだこ」。今回紹介する道頓堀店の他にも兵庫県、和歌山県などにも支店があるようだ。

筆者が注文したのは4個入で500円のたこ焼き。味付けはソース・醤油・ハーフ(ソースと醤油が半分ずつ)から選べる。今回はハーフをチョイスした。

少し値段は高めだが、4個入ということはイイダコが4匹入っているということである。これは仕方ないだろう。そしてたこ焼きを見てみると……

ドーン! なんとタコが入りきらず、足がはみ出している。

焼かれている際に、この飛び出した足がクルクル回ることから「踊りだこ」というそうな。頭からダイブして足だけ外に……こういう光景、なんか昔の映画で見たことあるような?

・先人は偉大なり

味はどうだろうか。タコが好きな人にとって、これはご褒美グルメに他ならないだろう。なにせ丸ごと一匹入っているわけだからな。

たこ焼きとしてどうかというと、そこは疑問符が付く。タコの主張というか磯の香りが強すぎて、生地とマッチしていない。あえていうなら1+1=2 の味というか。

最初にデカいタコを入れろとか騒いでいたのは誰ですか、という話なのだが、そう感じたのだから仕方ない。

また生地が柔らかすぎるので、持ち上げようとするとタコの重みで崩れてしまうのも難点。トロトロ食感のたこ焼きも嫌いではないが、これは銀だこのように外側を固めに仕上げたほうが良かったのでは……

そして今さらながら思う。「いわゆる普通のたこ焼き」は多分こういったチャレンジを経て確立されたものではないかと。

生地にタコを入れて焼くという料理の性質を考えれば、その歴史の中で「とにかくデッカいタコを入れてやるぜ!」という発想は必ず誰かが思いついたはずなのである。そうしないのは、それなりの理由があるということではないだろうか?

しかしながら今回紹介した「踊りだこ」、なかなか他では食べられないグルメであることも事実。せっかく大阪に来たのなら記念に食べておくのもアリかもしれないぞ。たこ焼きの横で佇むタコ、なんてシュールな画も撮れるしな!

・今回紹介したお店の情報

店名 踊りだこ 道頓堀店
住所 大阪市中央区道頓堀1-7-24
時間 11時~22時(売切次第終了) 
休日 不定休

参照元:踊りだこ
Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.

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