“経営難の動物園・水族館が奇想天外な展示を始めたところ、話題を呼んで業績がV字回復” といったニュースを耳にすることがある。香川の『四国水族館』が現在『四国のUMA(未確認動物)たち ~河童・人魚・ツチノコの謎に迫る~ 』という、明らかにヤバい展示を行なっていると聞いたとき、私は「そのテの話かな」と思った。

ところが調べると、四国水族館の開業はほんの3年前。とくに業績不振などといった話も聞かれず、要するに四国水族館は “単に趣味でUMA展を開催している” のであった。だとすれば、あまり関わりたくないかもしんない?

ってか……ツチノコって、そもそも水族館の管轄なのか?

・どうなっているのか?

なお誤解のないようお伝えしておくと、四国水族館には普通の海の生きものもたくさんいる。常設展示も充実した施設なのだ。


そんな中にあって、館内に突如出現するのが……



「絶対関わりたくない」って気持ちにさせるパネル。


本イベントのメインは海洋堂の塗装・造形師が手掛けたフィギュア。水族館とコラボするにはあまりにアングラな雑誌『月刊ムー』が執筆したパネルや、各分野の有識者が語る動画を使って、分かりやすくUMAをご紹介……って何度も言うけど、それ水族館がやること??


とってもリアルなツチノコ・フィギュア。



ちょっと怖い河童の置き物に……



思ってたんと違う人魚。私が子供なら普通に泣いてる。


・仕掛け人登場

実は四国はUMA(未確認動物)の伝承が多く残る土地。近年でも河童・人魚・ツチノコの目撃情報が多数あるらしい。だからといって水族館でUMA展を開催する理由としては不十分なので、ここで担当者に登場してもらうことにしよう。


あ!?  案外マトモそうな人!!


この人は飼育展示部長の下村さんといって、UMA展の仕掛け人的なお方である。ときに下村さん……なぜUMA展を開催しようと思われたんでしょう?


下村さん「当館は展示テーマを『四国水景』としており、瀬戸内海や太平洋、四万十川など四国各地の多彩な自然と生きものを紹介しております。UMAたちも四国各地に息づいており、歴史や文化と密接に結びついていることを紐解いていくことは、自然と我々をつなぐ接点の一つなのではないかと思います。



学校や仕事の帰り道、ふと草むらや川辺に目をやった時、生きものたちがそこにいます。
季節や時間帯によっても違うのです。ひょっとしたらその中に、彼らもいるのかもしれません。

UMAたちが「いる」「いない」という野暮な話はやめて、皆様にとって自然や生きものに興味をもつきっかけになれば、こんな嬉しいことはありません」


・深ぁ

え、何これ!! めちゃめちゃロマンに溢れる話であるうえ、下村部長の人柄が素晴らしすぎて、思わず好きになりかけてしまった。ふざけた企画と思っていたが、こういう真意があったのか…………イイ!!

四国水族館へ行けば下村部長に会える……かどうかは不明だが、心から「下村部長の作った展示を見てみたい」って気持ちになった。四国水族館の目玉はアカシュモクザメを下から眺められる水槽、鳴門のうずしおを再現した『渦潮の景』など。

それからお約束のアシカやペンギンもキッチリ在籍しているほか、レストランやグッズ展開も充実している。あまりUMAに興味がない人も、デートや家族連れなどでフル活用できそうだ。

ちなみに、「四国は遠い」とお思いの方も多いと思うが、香川県に限定すると、実は全然遠くない。とくに中国・四国・関西圏民にとって、香川は「ギリ日帰りでき、かつ遠出した感があるお出かけスポット」なのである。その他の地域の人は……無理せず泊まりで行こう!

今回お伝えしたUMA展は10月31日までの期間限定なので、UMAファンはお早めに。詳しくは公式サイトをチェックしてみてほしい。

参考リンク:四国水族館
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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