突然だが、あなたは金縛りになったことがあるだろうか? 私(中澤)は、10代の頃よくなっていた。経験から言うと、耳鳴りみたいなのが聞こえて「来るぞ来るぞ……キターーーー!」って感じ。例えるならジェットコースターがキリキリと上がっていくようなもので、この瞬間がめっちゃ怖かった記憶がある。

さらに、人とか出てこようものなら生きた心地がしない。気づいたら女性が立っていたりする。そんな金縛りは、最もポピュラーで身近な怪談と言えるが、私と同じく金縛ラーである友人には10代の頃に発明した完璧な金縛り撃退法があるという。

・金縛りは夢

「金縛りは夢」という話がある。脳は起きてるけど体は起きていない状態とかよく小耳に挟む。ただその理論を知っていようと夢の中で夢と気づくのは結構難しい。そうなれば、金縛り中の認識としては単なる現実だ。なったことがない人は想像してみてくれ。起きたら部屋の中に知らない女性が立ってるんだぞ? めっちゃ怖いやん。

しかしながら、この「夢」という部分に10代の頃着目したのが友人のT君である。T君はこう考えた。「夢ならば強い意志を持てば思い通りにできるのではないか?」と

・金縛りvsT君

ネットが今ほど発達していない時代、夢の中で夢と気づけば思い通りにできるという明晰夢を、当時T君が知っていたのかは分からない。ただ、血気盛んな10代の少年。思いついたら試したい。どちらかと言うと、好奇心と知識欲から、T君は金縛りを待った

そして、ある日近づいてきた金縛りの気配。聞こえる耳鳴り! 立っている女性!! 怖い怖い怖い怖い怖い……


いや、エロイ


そう、T君は思春期の男子最強の武器・性欲を持って金縛りに挑んだのである。エロイエロイめっちゃエロイうっひょ~~~~~エロイなあ。そんなところまでいいんですか?

・まさかの展開

金縛りの恐怖と10代の性欲のデッドヒートである。怖い雰囲気に負けないように120パーセントでエロイことを考えるT君。すると、どうだろう……


女性が脱ぎ始めたではないか


そこからの金縛りはめちゃくちゃ楽しかったらしい。そして気づけば金縛りが終わっていたという。そんなわけで、見事性欲でトラウマブレイクに成功したT君。以来、金縛りが楽しみになったわけだが……

それ以来金縛りには遭っていないそうだ。すれ違う2人が今度出会うのはいつになることだろう。T君は今も夢の彼女を待ち焦がれている。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.