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先日ロケットニュース24では、「深夜の山道で乳母車を引く謎の老婆に出会った話」「金縛りにあっても『南無妙法蓮華経』と唱えられなくなった話」の2本の心霊コラムをお届けした。

今回は私(筆者)の心霊体験を紹介したい。といっても、私が見たのは幽霊の姿だけ。その幽霊の餌食になったのは、私の友人である。

・北海道での体験

数年前、私は友人A、Bと一緒に北海道へ遊びに行った。といっても、男同士ということもあり、とにかく安く北海道を楽しめればOKという旅行。私たちはコスパ重視で、適当なビジネスホテルを予約した。

ちなみに、押さえたのはシングル3部屋で、同じフロアの隣同士。部屋の位置関係は、A → 私 → Bである。

・Aだけが先にホテルへ帰ることに

その旅行の最後の夜。私とA、Bの3人は、札幌市内の居酒屋で飲んでいた。店を出た後、Bが「ラーメンでも食べて帰ろう」と提案し、私も一緒に行くことに。しかし、カロリーを気にしているAは、“深夜ラーメン” の抵抗が大きかったのか、先にホテルに帰ることになったのだ。

こうして、私とBはラーメン屋へ。当初は1時間程度かと思っていたものの、ラーメンを食べた後にしゃべっていたら遅くなり、結局私とBは、2時間後くらいにホテルに戻ることになった。疲れた体でホテルのエレベーターに乗り、自分たちの部屋があるフロアから降りたその時……! 

Aの部屋に、キャリーバッグを引く謎の女性が入って行くのが見えたのだ。

──「あれは誰だ!?」私とBの頭の中を、全く同じ言葉がよぎったに違いない。念のために女性が消えた部屋に近づき、番号を確認してみたが、やはり女性が入っていったのはAの部屋である。間違いない。

・隣の部屋から謎の声

思わずBと私は顔を見合わせた。だが、お互いに何と言っていいか分からない。本音を言えば、酔っているから結構どうだっていい。とりあえず、私とBはそれぞれ自分の部屋に戻ることにした。なお先述の通り、先に帰ったAのすぐ隣が私の部屋である。

カードキーをピッとあてがい、ドアを開けると、私はそのままベッドにゴロン。横になりながらリモコンに手を伸ばし、見慣れない北海道の番組をぼんやりと眺めていた。「今日は疲れた……。もうこのまま寝てしまって、お風呂は明日の朝に入ろうかな」なんてことを考え、私がウトウトし始めたその時……!

「あああぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ああぁ! あああぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ああぁ! あああぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ああぁ!」

Led Zeppelin の『移民の歌』の歌い出しを彷彿とさせるような、強烈なシャウトがAの部屋から聞こえてきたのである。

なんて長いブレス! その叫びを聞いた途端、私は思わず身の毛がよだったが、「隣にロバート・プラントが宿泊していて、深夜にボイトレしているんだ」と無理に自分に言い聞かせ、そのまま眠ることにした。

そして翌朝……Aが、自らの心霊体験を告白することになるのだが、それは次ページで明らかになるぞ。

執筆:和才雄一郎
イラスト:稲葉翔子