どうやらサントリー食品インターナショナルの新商品『生ペプシ』の評判がすこぶる良いようだ。生ペプシをいち早く試した当サイトの「あひるねこ」及び「GO羽鳥」によると、従来のペプシと比較した場合「まったくの別物!」だという。

そこまで言うなら確かに違いはあるんだろうが、果たしてその違いは誰もがわかるレベルなのだろうか? 例えば味覚が少々怪しいグルメライターでさえも「まったくの別物!」と違いがわかるのだろうか?

・普通の人がわかっても……

こう言っちゃ身も蓋もないが、あひるねこもGO羽鳥も味覚が悪い方ではない。かつてガチ企画「グルメライター格付けチェック」で全員のリアクションを目の当たりにしていた私、P.K.サンジュンから言わせると、当時の2人は「中の中」の味覚の持ち主であった(最高位は上の中で俺)。

生ペプシの評判に水を差すつもりはないが、中の中の人間を満足させるのは普通にあたり前の話。味覚オンチ疑惑がある人間ですら「全然違う!」とわかるほどの感動があって初めて、生ペプシは「まったくの別物!」と言えるのではないだろうか?

・体験者「わからないワケがない」

念のため、あひるねこに「味覚オンチのライターでも違いはわかると思うか?」と尋ねたところ「絶対にわかる。わからないとおかしい。外したら金輪際グルメ記事を執筆すべきではない」とまで言い切っていた。逆にそこまで断言してくれるなら、よもや彼らが失敗することはないだろう。

その彼らとは当サイトの「佐藤英典」と「原田たかし」の両名で、ぶっちゃけ彼らの味覚は総合的に考えて怪しい。味よりも食感にかなりの比重を置く「食感系味覚オンチ疑惑」の佐藤と、自信の無さから来る「自分を信じられない系味覚オンチ疑惑」の原田。果たして彼らは生ペプシを探り当てられるのだろうか?

というわけで、2人でラベルを外した『生ペプシ』と『ペプシ』を飲み比べてもらった。ルールは気が済むまで何度テイスティングしてもOK。『生ペプシ』だと思う方を当ててもらう。


2人とも正解ならめでたくハッピーエンド。


仮にもグルメ記事を執筆するグルメライター2名の真剣勝負。


果たして生ペプシは評判通りに「まったくの別物!」なのか? 結果はというと……!


割れたーーーーーー!!


佐藤:「違いはあるけど俺はこっちの方が好き。炭酸の弾け方というのかな? 生がどうだとかは関係ない。俺が好きなのはこっちだ


原田:「まず香りが違う気がしました……。あとは炭酸ですね……。僕が選んだ方は微炭酸で口当たりが良かったので……。味も多少違いはありましたけど、うーん……」


・正解したのは……!

個人的には「後味が完全に違う」と感じているが、2人から後味に関する言及は最後まで無かった。さすが食感を何よりも大切にする佐藤と、自信がないあまり勝手に迷路にハマり込む原田である。


で、正解したのは……!


原田たかし!!!!!!


・男の生きる道

1人失敗したことを悔しがるべきか、それとも1人は成功したことを喜ぶべきか? それは受け取り方次第だが、不正解だった佐藤のコメントは私の心に深く突き刺さった

佐藤:「俺は普通のペプシを選んだことを後悔していない。なぜなら俺は好きな方を選んだからだ。後味が違う? それの何が重要なんだ? 好きなものを好きだと伝えていくのがグルメライターのあるべき姿だろうが。好きな方を好きと言える俺で逆に安心した」

他人に何を言われようと、我が道を突き進む男、それが孤高のグルメライター・佐藤英典。最後に「お疲れ」と言い残して現場を去っていく佐藤の背中には、彼の生き様そのものが映し出されていた……気がする。

おい、サントリーよ。佐藤パイセンに恥をかかせるんじゃないよ! 佐藤パイセンが好きなものを作らんかい!! ペプシは男・佐藤の感情を揺さぶってナンボだろうがッ! この勝負、真の勝者は佐藤だけなのかもしれない。

とはいえ、両者ともに「違いはあった」と言っていたから興味がある人は『生ペプシ』と『ペプシ』を飲み比べてみてもいいのではないだろうか? その違いをあなたの舌で確かめていただきたい。

参考リンク:ペプシ
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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