有名店のカップラーメンは本当に店の味に近いのか? ただそれだけを確かめる検証企画『有名店のカップラーメン、本物の直後に食べる』も8回目を迎えた。今のところではあるが、想像よりも店の味に近いカップラーメンが多く、その技術力の高さには驚かざるを得ない。

さて、今回検証したのは北海道発祥の超有名ラーメン店「えびそば一幻 あじわいえびみそ」である。個性的なスープが特徴の人気ラーメン店であるが、結論から申し上げると “アレ” が非常に残念な結果となってしまった。

・超人気ラーメン店

ラーメン大好きっ子ならば知らぬ人はいないであろう超人気ラーメン店、それが「えびそば一幻」だ。その名の通りエビのダシを使った独創的なスープが最大の特徴で、北海道に海老ダシブームを巻き起こしたのは同店である。

実は当時、私は北海道で仕事をしており、何度か札幌の一幻に足を運んだことがある。カチカチに凍えるほど寒い中、鬼ほどの行列があたり前の一幻。凍死寸前になっても食べたいラーメン、それほど当時の一幻は人気があった。

やがて一幻は東京に進出、ラーメン激戦区・新宿でも不動の人気を確立し今に至る。一幻ほどの実力店がカップラーメンになるのは、ある意味で当然だったのかもしれない。

・ローソン限定発売

さてさて、今回購入したのはローソン限定発売の「えびそば一幻 あじわいえびみそ」で、税込価格は228円。製造は安定の日清食品で、少なくとも1回のリニューアルを経て現在のカップラーメンに落ち着いているようだ。

かなり個性的なスープだけに、近いなら近い、違うなら違うと判断はつきやすいハズ。個人的にはおよそ6年ぶりの一幻に胸を高鳴らせ、新宿店に直行した。


で、久々に一幻を堪能!


やっぱりウマい!!


んでもって……


店の外でカップラを即食い!


よくよく味わった結果……


やや遠い──。


ポイントは2つある。断っておくとスープ自体は全くの別物ではないし、エビとトンコツがベースの店の味と同じ系統のスープであることは間違いない。ただし、わずかな酸味(?)が邪魔をしており、本物のまろやかさには数歩及ばなかった印象だ。

・最大の障害

それだけなら良かったのだが、最大のポイントは「麺の風味がスープを邪魔している問題」──。これまで検証を重ねてきて気付いたことだが、同じカップラーメンでも「麺の風味がさほど気にならないモノ」と「麺が邪魔しちゃっているモノ」が確実に存在する。

その理由が麺の原材料なのか、それともスープとの相性なのか、はたまたこちらのコンディションなのかはわからない。……が、例えば「池袋大勝軒 特製ワンタン中華そば」は麺の風味がスープを邪魔してしまっている実に惜しい仕上がりであった。

「えびそば一幻 あじわいえびみそ」もまさに同様で、スープだけならばまあまあ近いハズ。……が、残念ながら麺の風味が一幻の個性的なスープの風味を邪魔してしまっていたため、今回は「やや遠い」と結論付けさせていただく。

メーカーがどのように有名店のカップラーメンを製造しているのかはわからない。ただこれまでの経験上、的外れな味はほぼなかった。それだけでもレベルが高いのに、麺の風味まで計算しなくてはならないハードモード。メーカーの技術力はマジでスゴイ。

フォローするわけではないが「えびそば一幻 あじわいえびみそ」が美味しいカップラーメンであることは間違いないから、興味がある人はぜひ手に取ってみてはいかがだろうか? 店の味を再現するには、とんでもない技術が必要なのだと改めて感じ入った次第だ。

参考リンク:えびそば 一幻
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

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