何気なくインスタを見ていると、一蘭の公式アカウントがカップラーメンのアレンジテクを紹介していた。なんでも、食べる前にお湯を捨て、新しいお湯をカップに注ぐと味的に良い感じになるらしい。超ザックリ言えば、お湯入れ替え製法ってところだろうか。

普通に作るよりは面倒くさそうだが、それで美味くなるのならば試す価値はある。どれどれ。どんなもんだろうと思いながらやってみたら……思わぬ形で一蘭の凄さを垣間見ることになったので報告したい。

最初に、一蘭公式が公開しているアレンジをもう少し詳しく紹介しておこう。


1:熱湯を注ぐ


2:4分後にお湯だけ捨てる


3:新たにお湯を注ぎスープを入れてよく混ぜ食べる


実にシンプルなアレンジであるが、一蘭公式によると上のように作ることで「スープの味がよりクリアに感じられます」とのこと。では一体どれくらいの違いが生まれるものなのだろうか?

確かめるべく、通常通り作った一蘭カップラーメンとアレンジして作った一蘭カップラーメンの2つを用意した。出来上がりを比べてみると、パッと見はほぼ同じ。大きな差はない。


では味はというと……



お!



おおおおお!!



おおおおおおおおぉおおおおおお!!!!



全然違うぞぉおおおお!!!!


……


……


……という展開になるものだと思っていた。だがしかし


実際は、食べ比べても違いがイマイチ分からなかったのだ。たしかに、アレンジバージョンの方が味がクリアになっているような気はするが、「粉末スープか液体スープの量の差かな?」と思ったのが正直なところ。


いくらインスタントとはいえ人の手で作るのだから、ミリグラム単位で同じ量の粉末(液体)スープを投入するのは難しい。私の感じた違いは、その差の可能性もある。早い話が、2つの違いはごくわずか……というのが、率直な感想だった。

もっとザックリ言うと、どっちも美味い。ただ、そう言うのはなんだか悔しい。まるで私がバカ舌と認めるようなもの──

いやいや、待て待て。結論づけるのはまだ早い。他の商品だったら、違いが分かるのではないか? スープを後から投入する系のインスタント麺ならば、一蘭のカップラーメンじゃなくとも味に差が生じるはず。たとえば、エースコックの「スーパーカップ」なんてどうだろう。


・「スーパーカップ」と「どん兵衛」でも比べてみた

というわけで、「スーパーカップ」を購入し、先と同じように一方だけ湯切りをしたのち新たにお湯を加える。もう一方はそのままだ。で、食べ比べてみると……


違う。違うぞ。クリアさが結構違うぞ。一蘭よりも「スーパーカップ」の方が、わずかながら違いが分かりやすい。だが、アレンジするとスープに “お湯感” が強くなってしまい、ノーマルバージョンの方が美味いような気が。これはこれで失敗……

ならば、日清の「どん兵衛」だとどうだ?


同様に、ノーマルバージョンとアレンジバージョンの2つを用意。違いを探ってみよう。いただきます!



……



……



なんということだろう。3つの中でもっとも違いが分からないではないか。まるでサイゼリヤの間違い探しでもやっているかのようだ。


・なぜ分からないのか?

それにしても、なぜ私の舌でははっきりした違いを感じ取れないのだろう? 原因をいくら思い巡らせても、一蘭がプロすぎるからとしか考えられない。つまるところ、一蘭がほんの少しの差でも敏感に感じ取りながらカップラーメンを作っている……ということではないだろうか。

逆に言うと、これは味覚の繊細さを試すアレンジとも言えるだろう。気になる人はやってみて欲しいが、試した結果 私と同じように「違いなんてある?」となる人だって一定数いるはず。もしそうなっても、絶対に自分の味覚に問題があると思ってはいけない


原因はあなたにあるのではない。一蘭がプロすぎるからなのだ。違いがハッキリ分かる人がむしろすごい! ……としておいた方が誰も傷つかなくて済むかと思うので、本記事はそのように結論づけて終わりたい。お疲れ様でした。

参考リンク:Instagram @ichiran_jp
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.