もしかしたら有名店のカップラーメンを販売するメーカーは、常に「店の味を忠実に再現するべきか? それともカップラーメンとしての美味しさを追求すべきか?」という悩みを抱えているのかもしれない。

第9回の『有名店のカップラーメン、本物の直後に食べる』では、そんな思いを強く感じずにはいられなかった。登場するのは、ご存じ「リンガーハット」の長崎ちゃんぽん。この段階で申し上げてしまうが、リンガーハットのカップ麺は店の味とかなーーーり別物であった。

・店の味と近いものが多い

有名店のカップラーメンは店の味と近いのか? ただそれだけを確かめるシンプルな検証企画、それが『有名店のカップラーメン、本物の直後に食べる』だ。有名店のカップラーメンを目にするたび「実際のところはどうなの?」と気になる人も多いことだろう。

正直に申し上げて、この企画を始める前は私、P.K.サンジュンも「結構いい加減に作ってるんでしょ?」という考えもあったが、回を重ねるにつれ「なかなかやるやん……!」という想いが強くなっている。おそらく我々が想像するよりも遥かにメーカーの技術力は高いに違いない。

・ご存じ、リンガーハット

さて、今回検証したのはリンガーハットの「長崎ちゃんぽん」で、メーカー希望小売価格は税抜き220円。製造はエースコックで、コンビニやスーパーで目にする機会が多い人気カップ麺である。

「リンガーハットなら店に食べに行けばイイのでは?」……という気もしなくはないが、カップ麺で手軽に店の味を楽しめるのが有名店のカップラーメンのいいところ。全然関係ないけど、上野のリンガーハットが2軒とも無くなっちゃって絶望してます

で、実は私は普段からそれなりの頻度でリンガーハットに足を運んでいるため、今回は最初からかなり自信があった。「NOリンガーハット NOライフ」とまでは言わないが、月2くらいではリンガーハットで食事をしている。というわけで、


近所のリンガーハットに直行!


長崎ちゃんぽんをオーダー!!


しっかり味わったら……


店の外でカップ麺を即食い!


今回は1秒でわかったよ……


「全然違う」と──。


冒頭で申し上げた通り、店の「長崎ちゃんぽん」とカップ麺の「長崎ちゃんぽん」は大きく違う。絶対的に何が違うのかと言えば、ズバリ「ファーストコンタクト」である。

リンガーハットがお好きな方ならわかると思うが、店の長崎ちゃんぽんは「後から来るウマさ」が最大の特徴だ。パンチ力はほぼ無いものの、食べていくにつれ後からジワジワ美味しいのが店の「長崎ちゃんぽん」なのである。

・カップ麺の宿命

一方、カップ麺の「長崎ちゃんぽん」は最初からピークがやってくる味わいだ。確かに後味だけは店の長崎ちゃんぽんと近いが、スープが舌についた瞬間がMAXであることは変わらない。これはある意味で “カップ麺の宿命” なのだろう。

思い返してみても、世の中には「後からジワジワ美味しいカップ麺」は存在しないハズ。おそらくカップ麺は、ファーストコンタクトからしっかりした味わいでないと、そもそも美味しくないのではないだろうか?

別にエースコックを擁護するワケではないが「店の味と違うとわかりつつも、カップ麺としての美味しさ」を追求した結果が、この1杯に詰め込まれている気がした。事実、カップ麺としては普通にウマい。店の味とはかなり違うが、満足度の高いカップ麺である。

「店の味を忠実に再現するべきか? それともカップラーメンとしての美味しさを追求すべきか?」──。きっとメーカーはこんな悩みを常に抱えているに違いない。

参考リンク:リンガーハット公式サイト
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

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