個人情報を安易にネットに書き込んではいけません。これは現代社会において常識のネットリテラシーである。不特定多数が閲覧できるネットには何が潜んでいるか分からないからだ

ところが、ビッグウェーブさんことBUTCH (ブッチ)さんはネットに堂々と携帯番号を晒している。HPでも、Twitterをはじめとする各種SNSでも。なんならステッカーにして配っている。そんなブッチさんに、過去にかかってきたヤバイ電話5選を聞いてみた。

・ブッチさんの現在

iPhone行列に並んでいる際、テレビ取材を受け、そのパンチ力あるキャラから知る人ぞ知る存在となったブッチさん。その際発言した「乗るしかない、このビッグウェーブに」という言葉からは、当時のiPhoneの勢いを感じ取ることができる。

そんなブッチさんは現在、フリーランスの役者・タレントとして活動中。それにしても、なぜ携帯番号をネットに公開しているのだろうか

ブッチさん「フリーなので仕事の窓口的なものがないんだよね。そこで、『アイツ使いたいなあ』とか、『こういうキャラ欲しいなあ』って時に、俺の連絡先を知らない人でもパッと連絡が取れるようにしたかったんだ」


──なるほど。タレント活動のためなんですね。でも、ネットに電話番号を公開したら、それ以外の電話の方が増えないですか?


ブッチさん「たまにあるね。気にしてないけど」


──これまでかかってきた電話でヤバかったものを教えてください。


・私ミサ

ブッチさん「非通知でかかってきた電話に出たら、『私ミサ』って名乗られて、『今どこにいるの? 何してるの?』って知り合いみたいに話し始めた人がいたんだけど、明らかに男なのに女口調で裏声使って話してるの。あれは強烈な体験だったね」


──ブッチさんはどういう対応をしたんですか?


ブッチさん「普通に答えた。『表参道歩いてます』って。じゃあ、『今から会える?』って聞かれたから『今からは無理ですね』って言った。その辺りでイタズラ電話って気づいて、向こうも『ふ~ん、何してるのかなあと思って』とか掘っても何も出ない雰囲気だったから、電波が悪いフリして切っちゃった」

・解体現場

ブッチさん「あと、一番多いのが解体現場かな。『明日人が足りないんです!』って。俺にかけてくるって相当人足りないんだろうね」


──ブッチさんはそういう仕事も受けるんですか?


ブッチさん「いや、丁重にお断りしてる。一応何でも屋ではなくタレントなので


・サーフィン行ってきます

ブッチさん「思い出したようにかけてくる人もいるよ。前にあったのは、電話に出たら第一声で『ブッチさんお久しぶりです! 今からサーフィンしてきます!!』って言われて」


──唐突ですね。


ブッチさん「誰か聞いたら、『この前高円寺で声かけさせてもらったヤツです! 今からサーフィンしてきます!!』って」


──めっちゃサーフィンおしますね。


ブッチさん「『おう頑張れ!』って答えたよ」


──テンション上がってブッチさんに電話しちゃう気持ちはちょっと分かる気がする。

・ウェイウェイ

ブッチさん「あとは、もの凄いチャライ口調で合コンに誘ってきた大学生もいた。『絶対ブッチさんいたら盛り上がるんで!』『超良いキャラじゃないっスか!?』って」


──合コン行ったんですか?


ブッチさん「あまりにもチャラいノリだったから断ったね。仕事じゃないし」


──思ったよりマジメなんですね。


・世にも奇妙な電話

ブッチさん「まあ、色んな電話があったけど、一番ヤバかったのは、電話に出たら『家のポストにステッカーが貼ってあって』って切り出されて」


──いくら仕事が欲しいからって他人の家のポストに貼るのは迷惑行為でしょ。っていうか、家に貼ったところで仕事来ないでしょ。


ブッチさん「いや俺が貼ったわけじゃないよ? 後輩がその人と知り合いで一緒に呑んだ帰りに貼ったみたいなんだ。で、謝ったら『出演依頼をしたい』って」


──どういうこと?


ブッチさん「話を聞くと、その人はドラマの助監督とかしてる人みたいで、朝ポストのステッカーで俺の顔見て『今探してるキャラにちょうどいい』って思ったんだって」


──そんなことあるんですね。


ブッチさん「その作品っていうのが『世にも奇妙な物語』だった」


──世にも奇妙な世界の扉開いちゃった……! そう言えば『’17秋の特別編』の「フリースタイル母ちゃん」でラップバトルする中山美穂さんの後ろに映ってましたね。


ブッチさん「作品名と主演聞いた時ヤバイって思ったよ」


──ビッグウェーブに乗ってますね。

・電話がかかってくる頻度

ところで、電話番号がネットに流出したらひっきりなしに電話が鳴るイメージですが、現在、知らない人からの電話はどれくらいの頻度なんですか?


ブッチさん「今は半年に1回くらいかなあ」


──少なッ! そのうち仕事に繋がったのは何本くらいあるんでしょうか?


ブッチさん「仕事の電話は『世にも奇妙な物語』だけだね」

──グラサンの奥の目が泣いているように感じた。テレビ関係者の皆様、『北斗の拳』の雑魚キャラみたいなキャラが欲しい時はぜひブッチさんに連絡してあげてください。電話番号は 080-5470-0597 です。

さて置き、アイドルの自撮りの瞳に映った景色から住所を特定するストーカーもいる現代社会。ブッチさんは例外として、ネットに個人情報を書くと何が起こるか分からないのでくれぐれも注意しよう。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.