2018年1月19日、音楽プロデューサーの小室哲哉さんが引退を表明した。大げさではなく一時代を築いた同氏の引退表明は、各界に波紋を広げている。中でも特にショックを受けているのは、現在30代後半~40代後半にかけての “TK世代” の人たちだろう。

かく言う私(P.K.サンジュン)もその一人で、中学から高校時代はTKにどっぷりとハマッていた。今回は引退を表明した小室哲哉さんがプロデュースした数々の名曲の中でも、私が最高の名曲だと信じて疑わないtrf の『WORLD GROOVE』についてアツく語りたい。

・TK世代ど真ん中

90年代に多感な時期を過ごした人ならば、おそらく何度かはTKの音楽に救われているハズだ。当時のいわゆる “小室ファミリー” は誰もが憧れる存在で、世の中の中心にはいつも彼ら彼女らがいた。そしてそのど真ん中にTKがいた──。

安室奈美恵の『Sweet 19 BLUES』がリリースされたとき、私は19歳。意外と真剣に「TKが俺のために、俺たちのために書いてくれた曲」と信じていた。TKの音楽を耳にするといくらでも思い出がよみがえってくる、TK世代の人間である。

・1994年リリースの『WORLD GROOVE』

そんな私が「小室哲哉プロデュース史上最高の名曲は?」と問われたら、迷いなく『WORLD GROOVE』と答える。trf が1994年にリリースしたアルバム「WORLD GROOVE」の収録曲で、シングル曲ではない

アルバム「WORLD GROOVE」は小室哲哉初のミリオンヒットを記録したアルバムとして知られる、いわばTK時代の礎を築いた名アルバムだ。音楽性もさることながら、すごいのはその歌詞で「作詞家・小室哲哉」の才能が炸裂した名曲である。

・作詞家としての才能が炸裂

歌詞を書きすぎると某団体から怒られてしまうので多くは記せないが、とにかく1文字たりとも無駄な言葉がない。1番のサビだけ引用しよう。


「行ったこともない 南の島でもきっと感じるよ WORLD GROOVE 探し続ける 愛と君を結ぶ誘惑のステップが WORLD GROOVE 君はいつからかこの未来の話を信じることになるかな? すべて身を任せ 付いていこうよ 輝く奇跡がWORLD GROOVE」


曲を聴き終わる頃には “WORLD GROOVE” という聞きなれない言葉が体に馴染んでいるからスゴイとしか言いようがない。特に「愛と君を結ぶ誘惑のステップ」なんてフレーズは、小室哲哉がいなければ誕生しなかったハズだ。

大人の事情で記事では直接動画をご紹介できないが、YouTubeで「WORLD GROOVE」と検索すると公式動画が出てくるからぜひご覧になっていただきたい。再生回数1000万回の『EZ DO DANCE』に対し『WORLD GROOVE』は70万回だが、紛れもない名曲である。

・さよならTK

引退してもTKが残した数々の名曲は半永久的に語り継がれる。私は『WORLD GROOVE』推しだが、それぞれにベストTK曲があることだろう。ありがとう、小室哲哉。そしてお疲れ様でした──。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼さよならTK、お疲れ様でした──。