日本に住んでいるとわからないが、日本特有の匂いというものはあるのだろうか? 個人的には東南アジアの匂い、アメリカ・ヨーロッパの匂い、中国の匂いなど、確実にその国特有の匂いがあるように思うのだ。それが何の匂いなのかはよくわからないのだが、食べ物によるところは多い気がする。

さて、本日2017年8月22日に、中国からとある有名な飲食店が日本に初上陸したことをご存じかな? 中国で1番有名なラーメンと呼ばれる「蘭州(らんしゅう)ラーメン」の老舗『馬子禄(マーズルー)』だ。これを食わずにラーメンは語れぬ。そこで、東京・神田神保町にオープンした日本第1号店に行ってきた!

・中国の老舗ラーメン店

いまや日本人のソウルフードとなったラーメン。その発祥の地が中国であることは有名だ。その中国で、もっとも有名なラーメンと呼ばれているのが「蘭州ラーメン」であり、『馬子禄』は100年以上の伝統を誇るという老舗中の老舗。それが満を持して、日本に初上陸を果たしたというわけだ。

・大行列の日本1号店

神保町駅を出てしばらく歩くと、それらしき行列が見えてきた。まだ開店から5分程度だというのに、すでにそこには30~40名ほどが列をなしているではないか。アイヤー、出遅れたアルか! テレビカメラも来ており、中には中国メディアの姿も。その注目度の高さがうかがえる。

印象的だったのが中国人客の多さだ。留学生からビジネスマンまで幅広い層の中国人が集まっており、話を聞いていると皆「やっと日本でも食べられる」と喜んでいるご様子。どうやら『馬子禄』は、中国人が本当に愛しまくっているラーメン店のようである。

・匂いからしてすでに中国

ようやく中に入ると……わっ、中国だ! 中国の街のあの匂いがする。実は今年中国に行ったのだが、すでにもう懐かしい匂いだ。もっともスタンダードな細麺の『蘭州牛肉面(税込880円)』を頼んで待つ。なんと麺は注文が入ってから手打ちするらしいぞ。蘭州ラーメンは生地を手で引っ張って伸ばすのだ。

・目にも鮮やか

パクチーとラー油は「なし・少なめ」も選べるので安心してほしい。そうしている間にラーメンが到着! 透明度が高いスープに大根、真っ赤なラー油、パクチーや葉にんにく、そして黄色い麺。「一清二白三紅四緑五黄」と言われるこの鮮やかな5つの色が、蘭州ラーメンの特徴らしい。

・「蘭州ラーメン」を食べてみた

牛肉や牛骨を薬膳スパイスと煮込んだスープは、スッキリとしながらも何とも言えない豊かな風味……そして辛い! うおお、これこそまさしく中国の味だ!! 中国のラーメンって、日本のラーメンと違ってどこか体に良さそうな味がするんだよなぁ。無理に日本人好みに寄せず、本場感たっぷりなところに好感を持てる。

・麺がウマい

そして、麺はやはりウマかった。細麺と書いてはあるものの、実際には日本で言うところの中太麺くらいの太さだ。打ち立てだからか非常にモチモチとしているが、日本の麺とは舌触りが違う。それどころか、この麺は中国で食べた他の麺ともどこか違う気がするぞ。好みはあるかもしれないが、これはかなりウマいのではないか。

・中国を感じる味

それにしても、食べれば食べるほどに中国が恋しくなってくる。高級中華のようなものではなく、中国で現地の人に紛れてこのラーメンみたいな料理を食べたくなる。もし中国に行ったことがない人は、ぜひこのラーメンを食べてみてほしい。この器の中には、中国の匂いが充満しているからだ。

食べ終わって店を出ても、行列はまだまだ途切れる気配がない。口に残った後味のせいか、そこは神保町なのに中国の繁華街を歩いているような気分になっていた。外国で感じる独特の匂いは国ごとに異なるが、あれはやはり食べ物のせいなのかもしれない。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 馬子禄 牛肉面
住所 東京都千代田区神田神保町1-3-18
時間 11:00~21:00

参考リンク:馬子禄 牛肉面
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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▼蘭州牛肉面(税込880円)

▼スープはスッキリとしながらも何とも言えない豊かな風味……そして辛い

▼薄き切られた牛肉、ウマし

▼蘭州ラーメンの特徴である大根

▼店を出ても行列はまだまだ途切れる気配がなかった

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