替え玉。それはラーメン店で麺を食べた後、麺のみを追加注文できるシステムのことである。基本的には博多ラーメンの店で採用されていることが多く、一般的なラーメン屋で見かけると嬉しいハッピーオプションだ。

その替え玉を「蘭州ラーメンの店がやっている」と小耳に挟んだのはつい先日のこと。蘭州ラーメンの……替え玉だと? これは行くっきゃねえ! というわけで、水道橋にある『花臨蘭州牛肉麺』へ直行した。

・ブームからはや数年

日本における蘭州ラーメンの歴史はそう長くない。中国で1番の有名店「馬子禄(マーズルー)」が上陸したのが2017年のことで、以来都心部ではちょいちょい蘭州ラーメン専門店を見かけるようになった。

蘭州ラーメンの特徴は多種多様な「手延べ麺」と、力強いウマさなのにアッサリとした「牛骨スープ」の2つ。さらにラー油やパクチーが醸し出す独特の風味が「日本には無い本場の味」を作り出している。

個人的にはちょいちょい蘭州ラーメンを食べているのだが、かねてから「ちょっとなぁ~」と思うことがあった。それは「もっとたくさんの種類の麺を食べたい」ということ。ざっと10種類ほどある麺の中からどれを選ぶか? いちいち悩ましいのである。

だがしかし「無限替え玉」ならばその心配もご無用! 片っ端から好きな麺を食べていけばいいじゃない!! なんていい店が出来ちまったんだ……。そうか、蘭州ラーメンに足りないのは「替え玉」だったのか。

・ランチタイムなら890円

で、JR水道橋駅から徒歩2分ほどで到着した『花臨蘭州牛肉麺』の店頭には、デカデカと「無限替え玉無料」の文字が。ランチタイムなら日替わりメニューが890円で、牛肉などのセットでも1200円で「無限替え玉」がいただけるようだ。

さすがに890円で替え玉を3回も4回も頼むのは気が引ける……というわけで、この日のセット「蘭州ラーメン + 牛肉」をオーダー。まずトップバッターで選んだ麵は、お店のオススメだという「中太麺」である。

スマホでオーダーを済ませ日本語と中国語が飛び交う店内で待つこと数分、蘭州ラーメンがやってきた。ビジュアル的にはこれといった特徴は見当たらない “王道スタイル” の蘭州ラーメンだ。

・落とし穴

さっそく食べてみるとクリアなスープは牛骨の旨味が詰まっており、それでいてあっさりとした口当たり。麺はちょっと細めのうどんくらいの太さで、表面はツルツルとなめらか。やや硬めに茹でられシコシコとした歯触りも最高だ。

瞬殺で1杯目を平げ、余裕の替え玉をオーダー。次は1番太いのにしようかな……なんて思っていたところ、店員さんからは思いもよらぬ事実を告げられたのである。


「替え玉ハ ゼンブ細麺デス」


ムム! そう、店内に表記は見当たらなかったものの、花臨の替え玉は一律で「細麺」とのこと。店内はかなり混雑していたため「そりゃいちいち麺を伸ばしてられないよな」と納得した一方で、ちょっぴり残念であった。

……が、そんな気分も替え玉の量を見て吹き飛んだ。



メッチャ多い!


・とてもいい店

目の前の替え玉は私の記憶にある博多ラーメンなどの替え玉の量ではなく、まんま1人前! なんなら1杯目より多いんじゃないか? 当初は3~4種類の麺を食べようと意気込んでいたが、2杯目を食べ終える頃にはすでに満腹状態であった。

麺が最大2種類しか選べないことはあったにせよ、美味しい蘭州ラーメンを気兼ねなくガンガン食べらえるお店はありがたい。細麺もバッチリ美味しかったので「蘭州ラーメンを腹いっぱい食べたい!」という人はぜひ行ってみてくれよな!

・今回訪問した店舗の情報

店名 花臨蘭州牛肉麺
住所 東京都千代田区神田三崎町3-4-8
時間 10:30~22:00
定休日 年末年始

執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.