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プロレスには、純然たる格闘技とは違うエンターテインメント性ゆえに、プロレスにしかない技が多数存在する。以前の記事でご紹介した「ドロップキック」も「ムーンサルトプレス」も、基本的にはプロレスのリングでしか見られない、独自の技である。

今回ご紹介する『スーパーキック』もその一つで、日本では『トラースキック』の名の方が有名かもしれない。「地味じゃない?」と思う人もいるかと思うが、実はかなり奥深い技なのだ。今回はそんなスーパーキックだけを集めた動画が、YouTubeにアップされているのでご紹介したい。動画のタイトルは『Superkickmania』だ! 

・米在住のプロレスマニアが制作

以前ご紹介した記事でも解説したが、まずは動画の作者を紹介しておこう。毎度おなじみ YouTubeユーザー「BDWJ1986」こと、米ニュージャージー州プレインフィールド在住のロドニー・A・カミンズ(Rodney A Cummins)氏だ。

ロドニー氏は、これまでにも数々の「プロレス勝手にランキング動画」を公開。そのひとつが今回の “スーパーキックマニア” だ! 米ニュージャージー州といえば「モンスターファクトリー」を主宰するラリー・シャープの出身地としても有名である。年齢の割にはぽっちゃりしてるし、体験入門してみたらどうなんだ、ロドニー・A・カミンズ!!

・史上最高の使い手

それはさておき気になる動画だが、数々のスーパーキックが収録されている。基本的には、長年つなぎ技として使われてきた技だが、それを必殺技にまで昇華させたのは、WWF世界ヘビー級王座を3回も獲得した「ショーン・マイケルズ」であることに異論はないだろう。

一瞬で繰り出される技のため、基本的には試合のペースをガラリと変える「チェンジ・オブ・ペース」として使用されてきたが、マイケルズはあえて技の前に “タメ” を作ることで観客の視線を集め、スーパーキックを必殺技に変貌させるだけではなく、技そのものの価値を高めることに成功した。

・奥深い技

今では数多くの使い手がいるが、意外と巨体のサモア系レスラーにも名手が多い。大型のレスラーが放つとき、圧倒的に不利なレスラーが繰り出すとき、思いもよらない瞬間に打たれるとき、相手はもちろん観客までもを操ることができる、奥深い技なのだ。

ある意味で『スーパーキック』の魅力がわかって来たら、プロレスを見る目が肥えてきたといえるリトマス試験紙的な技である。動画はスーパーキックだけで5本もあるから、じっくりとご堪能いただきたい。

参照元:YouTube 、Twitter @BDWJ1986
執筆:P.K.サンジュン

▼『Super Kickmania』だ! 04:09~TAJIRIのキレキレのスーパーキック。

▼『Superkickmania 2』だ! 04:39~無数のスーパーキックラッシュ!

▼『Superkickmania 3』だ! 03:13~ 菊タローのスーパーキック!

▼『Superkickmania 4』だ!06:36~達人ショーン・マイケルズのスーパーキックと、HHHの受け!

▼『Superkickmania 5』だ! 03:22~ 野外会場の太陽とスーパーキックがよく似合う!