「デマ」という言葉の意味をご存知だろうか? この言葉はドイツ語の「デマゴギー」を省略した言葉であり、デマとは政治的な目的で流す虚偽の情報、または、事実に反する噂である。

最近、Twitterユーザーの間で、デマの情報が拡散されることが相次いでいる。つい先日も「ツイッター有料化」のデマが広まり、それが事実に基づいたものでないことが判明し、率先して拡散したとされる前広島県議会議員の梶川ゆきこさんが、謝罪する騒ぎがあった(当該投稿はすでに削除されている)。

彼女は謝罪文のなかに「デマにひっかかる情報弱者で……」と綴っているのだが、そもそも彼女が拡散したものがデマであり、ソースとしたサイトは、元々「誤りと嘘八百でいっぱいの百科事典です」と自ら説明している『アンサイクロペディア』だ。デマの大元は彼女であるはずだ。それにも関わらず、一部のTwitterユーザーは同サイトを「悪質なデマサイト」と批判しているのである。

今回の騒動は、6月21日にアンサイクロペディアが「ツイッター日本語版、7月から全面有料化」というページを公開したことに端を発している。とても優れた内容の記事で、あたかも事実であるように表現されているのだ。

しかしながら、このサイトはウィキペディアのパロディサイトであり、掲載されている内容は事実と反するものがほとんどである。だが、それを知らないTwitterユーザーの間で事実と誤認され、26日には拡散する事態となった。

事態を重くみたTwitterの日本法人は公式アカウントで、「一部でTwitterが有料化されるという話が出ているようですが、そのような事実はありません」と、収束を図ったのである。

また、梶川ゆきこさんもこの情報をリツイートしており、「これで、誹謗中傷ができなくなる」と、有料化を歓迎するかのような発言をしている。この投稿はすでに削除され、自身は謝罪しているのだが……。

当然ながら有料化は事実ではなく、記事の内容を間違って受け取った人が、勝手に拡散したにすぎない。つまりは、一部のTwitterユーザーがデマを流したのである。それにも関わらずデマを流したであろう人たちは、同サイトを「悪質なデマサイト」と批判さえしている。

先にも挙げたように、デマとは政治的な目的で流す虚偽の情報であり、事実に反する噂である。アンサイクロペディアの内容が事実に反するものであったとしても、噂ではない。噂を広めたのは、梶川さんをはじめとするTwitterユーザーだ。

同サイトは2005年1月より運営を開始しており、Twitterが今ほど世に広まるよりもずっと前から、パロディや皮肉な内容の記事を公開している。そのことを知らずに、今回のような騒ぎを起こし、なおかつ「悪質なデマサイト」と批判するのはいかがなものだろうか。

このことについて、同サイトは「良質なネタサイトに与えられる最高級の称号である」と、さらなる皮肉をもって切り替えしている。ちなみにTwitterについては「バカ発見器」と称しているのだ。

手軽に使えるTwitterで「拡散希望」と称して情報を広めるのなら、一度は内容を精査して頂きたいものである。少なくとも、自らが情報を誤って受け取ってしまったのであれば、「デマを流した」との自覚を持つべきではないだろうか。情報を履き違えておきながら、「デマにひっかかった」と考えるのは、お門違いと言わざるを得ない。

参照元:UNNEWS Twitter yukiko_kajikawa togetter