少し前から本格的に冷え込むようになってきており、特に夜は暖房無しだとマジで寒い。もうほとんどの家庭で暖房器具が解禁となっているだろう。筆者も先日しまっておいたヒーターを持ち出したところ、故障したのか動かない

このままでは寒くて眠れないぞ……あ、そういやこの家エアコンがあるじゃん。1度も使ってないけどイケるやろ! これでぬっくぬくだぜ~~ポチッとな。……この時の筆者はまだ、待ち受ける悲劇を知らない

・最低でも4年はノータッチ

こうして起動したエアコンは、およそ4年前の入居時から備え付けてあったもの。筆者、夏は冷房を使わず、冬は愛用のヒーターを使用してきた。そのためエアコンの出番は皆無

存在そのものを完全に忘れていたので、掃除どころか触れてすらいない。それでもきっと入居前に業者が清掃したはず。多少ほこりを被っているかもしれないけどまあ大丈夫だろう。

・突然の体調不良

とりあえず寒さをしのげる見込みがたったということで、筆者は完全に気を良くして眠りについた。が、そこから数時間後に猛烈な くしゃみ に襲われ目を覚ますこととなる。

時計を見るとまだ午前4時。とにかく くしゃみ がとまらないし、なんだか喉と頭が痛い。その時、脳裏に浮かんだのは、花粉症シーズン真っ只中もこんな感じだよなぁといういささか気の抜けた感想。

とにかく部屋の空気が汚染されている感が半端なかったので、ベランダの扉を全開に。外の空気を吸ってようやく目が覚め、室内の空気が酷い臭いであることに気付いた。

例えるなら、ブルーチーズを魚臭くしたみたいな臭いだ。臭いの出どころを探ると、どうもエアコンが怪しい。こいつは中を確認する必要があるだろう。

・カビの国

エアコンの羽根の向こうはカビの国であった。白いプラスチックに黒い斑点が浮かんでいる。ペンでつつくと、カビの一部が剥がれ落ちた。



筆者はベランダいっぱいに乗り出して、新鮮な空気を吸いながら「やべぇよ、これやべぇよ」……というのがことの始まりである。エアコンって、放置してるだけでカビまみれになるものなんですね。

・道具は全てAmazonで購入

適当に「エアコン 掃除」でググッてみると、業者を呼んだ場合は大体1万円弱かかるらしい。しかし業者の良し悪しなどわからないし、何より知らない人を家に入れたくないというのもある。

適当にYouTubeでエアコンの分解清掃の方法などを見てみると、ぶっちゃけ自分でできそうだ。いい経験にもなるだろうと思ったので、DIY(Do It Yourself)することに。

色々調べた結果、以下の4点をAmazonで購入。


1:熱交換器用の洗浄剤
2:エアコン洗浄カバー
3:カバーを壁にとめたり、電子部分をビニールで覆うためのマスキングテープ
4:洗剤を洗い流すための洗浄機


洗浄剤は「Amazon’s Choice」になっている「アース製薬 エアコン洗浄スプレー防カビプラス(2本で634円)」を購入。そこそこの威力で噴射できるのが強そうだったのと安いのもナイスだ。防カビとかその辺の効果はぶっちゃけ気にしてない。

エアコン洗浄カバーについては壁が濡れなければなんでもいいだろう。「壁掛用 エアコン洗浄カバー KB-8016(1871円)」というのがベストセラーらしいので購入。筆者はマスキングテープ(271円)も買ったが、家にガムテープがあればそれでいいと思う。

一番迷ったのは洗浄機だ。本当なら業者が使うような高圧洗浄機がいいのだろうが、どれも結構いい値段である。と、ここで園芸用の蓄圧式噴霧器が目にとまった。

レビューにはエアコンの洗浄に使ったというものもあり、値段も1610円と手ごろである。実は筆者、ベランダで植物を育てているので今後の使い道もありそうだ。

ということで「工進 ミスターオート 蓄圧式噴霧器 4L HS-401E」を購入。これら全てあわせて4386円。労力はかかるものの、これでエアコンの掃除を業者みたいにできるなら悪くないと思う。

先に結論を述べると、これらのチョイスはなかなか正解だったと思っている。もしこの記事を読んで、自分でエアコンの掃除をやってみようと思った方は参考にしてみて欲しい。



・エアコンを分解

早速掃除していこう。まずはエアコンの分解からである。このために10本近く色々な業者によるエアコンの清掃動画を見たが、メーカーやモデルが違っていてもドライバー1本で簡単に分解しているように見える。

当然、分解方法はエアコンによってそれぞれ違う。しかし定期的に掃除しなければならないものだし、メーカー側もなるべく分解清掃しやすく作っているのではないだろうか。

どうやら「フィルター清掃機能」がついているモデルは厄介らしいが、そうでないなら「表のカバー」→「フィルター」→「外装」の3ステップで分解が完了するというのは大体共通してそうである。

プラモデルを作ったりという経験があれば、それなりにフィーリングで何とかなる気がする。筆者も完全に初見だったが「ここってこうすれば外れるんじゃね」的な感じで適当にやったら20分くらいで掃除に十分な程度まで分解できた。

中にはまったく同じモデルの分解清掃の様子がネットにあがっている場合もあるので、自信が無ければモデル名や型番で検索してみるのも手だろう。

・拍子抜けするほど簡単

まずは表面カバーを外し、フィルターの掃除からである。ほこりは多少たまっているが、量はたいしたことが無い。やはり使っていなかったからだろう。



ほこり自体は外で叩いたら一瞬で終わったが、念のため洗剤で洗って干すことに。フィルターの種類によっては水洗い不可な物もあるので注意が必要だ。やってみようという方は気をつけてほしい。

次は、外装を外して熱交換器を露出させる必要がある。見た感じ筆者のエアコンは2本のネジで固定されているだけのようだ。ネジも分かりやすい位置にあったのであっさり外れた。マジでめちゃくちゃ簡単である。

そのまま流れるように羽根も外す。水受け的な部分はホースが抜けなかったので、ネジだけ外した状態で作業することに。この段階で、購入した洗浄カバーを装着。むき出しの電子パーツ部分を適当にビニールで覆い、マスキングテープで固定した。



・カビハイター作戦

いよいよ本格的に業者っぽい感じになってきた。どこから取り掛かろうかと少し迷った末、とりあえず不快極まりないカビまみれのプラスチック部分から何とかすることに。

ここで筆者が用意したのは「カビハイター」だ。特に理由は無い。家の風呂場にあったのだ。カビ相手だし、この白い泡をぶっかけてやればイイだろうという脳筋な考えである。

とにかく全力で中に向けて発射しまくると……ぶっかけた端からカビが取れていく! これは勝ったも同然だろう。ファンも手で回しながら泡まみれにし、しばらく放置プレイすることに。



・熱交換器はスプレーして終わり

記事的には結構な量だが、ぶっちゃけこの時点で清掃開始から40分程度しか経過していない。というか、フィルターは外したままにしておいて、ほこりを叩いたりというのはカビハイター後の放置プレイ中にやればよかった

適当に時間を潰してから再びエアコンの中を覗いてみると……結構綺麗になってる気がする。後で水で流してから再度確認しよう。その前に熱交換器である。

熱交換器の方は先述の「アース製薬 エアコン洗浄スプレー防カビプラス」をスプレーして終わりだ。というか、フィルターの時点で何となく分かっていたが、熱交換器もわりと綺麗な感じだった。

使っていたら ほこりなどが詰まっていたのだろうが、ノータッチだったので全く綺麗なものである。ファンや、他のプラスチック部分とも接していないからか、カビも見当たらなかった。

一応スプレーのレビューをするなら、おおむね期待通りだった。スプレーの発射威力は中々のもので、もし ほこりが詰まっていたとしても吹き飛ばせそうである。

・蓄圧式噴霧器はエアコン清掃に使える

いよいよ掃除も大詰め。あとは水で洗剤を汚れもろとも洗い落とすだけだ。ぶっちゃけ一番心配だったのはこの部分。購入した噴霧器の威力が微妙だったらかなり手間取ることになる。

実際に使い始めてみると、悲しいかな頼りない威力。噴霧器というだけあって立派に霧吹きとして機能するが、洗剤を流せるような感じじゃない。

これは駄目かと思いかけたその時、ノズルの先端が回転する事に気付いた。これもしかして回したら強くなるんじゃないか? 回してみると……こいつ、つ、強いぞッ!

まるでビーム兵器のように、まだ張り付いているカビとカビハイターをどんどん撃ち落していく。ただ水の消費速度も中々のもので、あっという間にタンクが空になる。

また、途中で威力が下がるたびにポンプをシュコシュコして発射パワーを高める必要がある。でもまあ1600円でこれは全然OKだろう。園芸用の蓄圧式噴霧器はエアコン清掃的にグッドだと思う。

流し終わったらカバーを閉じて水が飛び散らないようにし、エアコンの電源を入れて送風モードで運転し水を飛ばした。電気系統に水がかかっていなければ、分解状態で起動しても問題ないはずだ。

・組み上げて終わり

なお、ここまででエアコンにぶっかけられた薬品や水は、全てカバーについているチューブ状の部分を経由し、下においてあるゴミ袋に送られている。

本当はバケツがいいのだろうが、家にバケツが無かったので蓄圧式噴霧器が入っていた箱の中に厚手のゴミ袋を張って代用したのだ。終わってから中を覗いてみるとコーヒー並みの黒さである。



こんなになるまで汚れが中に発生していたとは……というかこんな汚れを経由して出てきた空気を吸ったら具合が悪くなるのは当然というもの。送風モードで20分ほど放置してから、外していたパーツを組み上げた。

途中で記事のための撮影などもしていたため、全部で2時間くらいかかった感じだ。やってみると結構簡単だったし、業者には申し訳ないが休みの日に自分でやればええやんと思った。

なお、手順的には色々とタイムロスもあったとは思うし、分解の方法やらももっと踏み込める気がする。しかし、初めてでこれなら上出来だろう。掃除だし綺麗になればいいのだ。

酷すぎた臭いもガチで消えたし、記事作成の時点で掃除から1カ月弱経過しているのだが、具合が悪くなる事も無いので大成功だと思う。そろそろ家のエアコンも掃除しないと……という方はぜひ参考にしてみてほしい。

参考リンク:Amazon 噴霧器スプレーカバー
Report:江川資具
Photo:Rocketnews24.

▼蓄圧式噴霧器の真のパワーはこんな感じ

▼このときはまだ先端を回転させる事に気付いていなかった

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もっと火力がほしい

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▼本当は横じゃなく縦にスプレーしないといけないとのこと