12月14日放送の『お願い!ランキング』のワンコーナー「ブラマヨとゆかいな仲間たち」では、ゲストとして笑い飯とウーマンラッシュアワーが登場。M-1が近づいてきた時期ということもあり、M-1注目芸人として彼らに白羽の矢が立った。

笑い飯は、今年もM-1予選を勝ち抜いて、9年連続の決勝進出を決めている実力派漫才師である。だが、その知名度とは裏腹に、全国ネットのテレビ番組に顔を出す機会はそれほど多くはない。それは恐らく、彼らがいずれも堂々と真顔でボケを放つひょうひょうとした芸風の持ち主であるため、集団トークが主流のバラエティに馴染まないからだ。

この日も、「(笑い飯は)厳しそうに見えて、実は後輩に優しい」という話をウーマンラッシュアワーの村本が切り出したところ、その話題に乗っかるようにして笑い飯・哲夫がこんな話を切り出した。

「(笑い飯・西田は)後輩以外にも優しすぎて、子持ちのホステスとかいっぺん養ってましたからね」

突然の暴露話に、客席からは「エーッ!?」という声があがった。これに対して西田は、大声でつっこんだり、怒り出したりもせず、仏頂面で静かに不満を漏らした。

「好きになったホステスが子持ちやったからしゃあないやんか!」

愛情あふれる西田の真剣な返答に、司会のブラマヨ・小杉は「もうええから」と肩に手を置いてなだめた。

笑い飯は、ブラマヨなどとは対照的に、2人が2人とも感情を抑えたさめた調子でひょうひょうとボケを放つタイプだ。だからこそ、しっかりしたツッコミ役がいないと、彼らの良さを引き出すことができない。この番組では、小杉が進行に徹することで、彼らのボケ合戦を何とか処理していた。バラエティでは、圧倒的な「ボケたがり」の本能を持て余している感もある笑い飯は、最後のM-1で悲願の優勝を果たすことができるのだろうか。
(文=お笑い評論家・ラリー遠田

イラスト:マミヤ狂四郎