毎朝、新宿駅でたった1人でチアリーディングをしている女性がいる。彼女は2009年6月から日本を元気にするため、道行く人を応援する『全日本女子チア部☆』という活動を続ける斉藤彩さんだ。昨年に当編集部でも記事にし、2010年5月には『週刊少年ジャンプ』の人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』にも登場している。

彼女はたった1人で地道に活動を続け、この8月でついに丸1年を迎えた。そんななか最近になって、彼女の活動に共感してくれる仲間が現れたようだ。当編集部は「チア部が2人になったヨ♪」という情報を聞きつけ、さっそく取材に行ってみた。

斉藤さんとともに毎朝チアリーディングを始めたのは、クミッチェルさん(本名:朝妻久実・写真左)だ。彼女はもともと大学でチアリーディング部に所属しており、人を応援することが大好き。普段はラジオパーソナリティやナレーションなどの仕事をしているという彼女。チア部に参加するまでには、いくつかのドラマがあったそうだ。

長年アナウンサーの仕事をしていたクミッチェルさんは、今年の春、テレビやラジオの新番組のオーディションを受けていた。多数のオーディションを受けたのだが、残念なことに全ての不合格となってしまったのだ。このままおしゃべりの仕事を続けて行くべきかどうか悩み、落ち込んでいたという。

そんなとき親友のひとりが、「あんたいったい何がやりたいの?」と、いつまでもクヨクヨしている彼女を叱りつけた。すると彼女は、「私の原点はチア。一番はチアリーディングに関わる事がしたい」と答えたのだ。思わず口をついて出た言葉だったが、いったいどうやってチアリーディングで生活していいのかわからない。

しかし、それを聞いた親友は、「だったら新宿駅で毎朝チアリーディングしてる斉藤彩さんという人がいるから、その人のことを調べる努力でもしてみたら?」と、アドバイスをくれたのだ。

「そんな人がいるなんて衝撃的! 斉藤さんの活動は自分の目指すべき姿。すぐにでも会ってみたい!」と思ったクミッチェルさんだったが、なかなか会いに行く勇気がわかず、行動することができなかった。そのうちに1か月、2か月と月日が流れて行き、ついに会うのを諦めかけていた。

ところが偶然にも、自分の勤めていたラジオ局に斉藤さんがゲスト出演していたことが判明。クミッチェルさんは「やっぱり会うしかない!」と思い、すぐに斉藤さんの連絡先を調べ、ついに2人は会うことができたのだ。

クミッチェルさんは活動に加わることについて、こう語っている。「自分の姿を通して、人に元気を伝えたいとずっと夢見ていました。活動に参加できることになって、本当に嬉しく思います」と喜びをあらわにした。

そして1人で活動を続けてきた斉藤さんは、「ついに仲間がきた! って思いました。でもその反面、本当にずっと続けられるのかな? って思ったのも本音です。でも、クミッチェルは私が驚くくらいいつも元気で、一人目の仲間が彼女で本当に良かった」と、笑顔で話している。彼女らは今後、さらにチアリーディングに磨きをかけ、道行く人をもっともっと元気にしたいと考えているようだ。

「誰でも本当にやりたいことができるようになるし、変わりたいと願うならいつでも変われます。私たちはこの活動を通して、誰でも輝くことができることを証明していきます」とも語るクミッチェルさん。1年間地道に活動を続け、新たな仲間とめぐり合った斉藤さんの言葉は、以前にも増して力強いものとなった。

最近は、美人すぎる一般人女性が1年をかけて日本一周の旅に出たり、14歳の美少女すぎる女子中学生が世界一周の旅に出たり、元気な女性が世間をにぎわせている。少なくとも、彼女たちの行動が世の中にパワーを与える存在になっているのは間違いない。

Photo by Rocket News24 Staff / 本誌佐藤記者撮影