寿司という料理は遥か昔からあるが、生の魚を使った寿司といえば、江戸時代から現代まで伝わる日本伝統の料理「江戸前寿司」だ。そんな伝統的な江戸前寿司も、時代によって大きさや使用する魚が変化し、今ではひと口サイズの寿司が一般的なスタイルである。
だが、そんな時代の流れに逆らい、なんと “明治時代” に提供されていた寿司を出すお店が群馬県前橋市にある。その店『初日総本店』では、独特の風味を持つ伝統的な赤酢を使用し、二代目・鈴木秋次郎氏が明治42年(1909年)に群馬県へ持ち帰って寿司店を開いた味が楽しめる。
・現代人でも美味しいと思える
サイズは江戸時代の握りほど大きくはないが、シャリは現代の寿司の2~3倍程度の大きさで、ネタについてはほぼ現代と同じサイズ。バランスが悪いのではないか? と思いつつ食べてみたのだが、意外や意外、現代の寿司を食べなれた人でもコレがベストサイズだと思ってしまうほど美味しい!
おそらく酢で締めたり、漬けにするなど保存性を高めるため施した江戸前の技法に負けない味とサイズのシャリが、この絶妙なバランスを生み出しているのだろう。明治時代の寿司という古いものを現代人が食べると、逆に斬新に思えてしまうという新鮮な体験をしてしまった。
・通常サイズと比較しても面白い
また、もちろんこちらのお店では通常サイズの現代的な江戸前寿司も堪能することができるので、食べ比べしてみるのも一興だ。明治時代『秋二郎の握り』(1700円)と、『江戸前握り』(1700円)は、ほぼ同じネタを使用しているため、比較すると面白いぞ。
さらにリーズナブルな値段にもかかわらず、特にマグロは東京の名店に劣らない良いモノを使用していると感じた。座敷などゆったりできる席も用意されているので、地元の人はもちろん、群馬旅行がてらに訪れても楽しいかもしれない。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 初日総本店
住所 群馬県前橋市六供町554-3
時間 月~土 11:30~23:00 日・祝 11:30~22:00
休日 無休
Report:なかの
Photo:Rocketnews24.
▼こちらが明治時代の『二代目 秋二郎の寿司』
▼こちらは通常サイズの『江戸前握り』
▼比べてみると面白い
▼サイズの差は一目瞭然だ
▼どちらもベストなサイズと思えるほど美味しい!
▼トロやウニなどの高級ネタも海無し県とは思えないぐらいウマいぞ
▼座敷もあるのでゆったり食事もできる