恐らく全国の寿司チェーンで、最も社長が有名であろうお店「すしざんまい」。もはや国民的と言っても良さそうなCMや、かつて初競りのたびに凄まじい金額でぶっちぎってニュースになっていたことの影響もあるだろう。

私も社長のビジュアルはよく知っていたが、実は1度も「すしざんまい」の寿司を食べたことが無かった。近所に1件も無いので、機会が無いのだ。なんとなく気になってググったところ……なるほど、築地エリアか。

それにしても狭いエリアに何店舗もあるんだな。“匠” や “廻る” などバージョン違いも。どう違うのだろうか? ようし、今日はすしざんまいだ!

・築地

ということでやってまいりました。築地です。


ここの路地を少し入ったところに本店がある。思っていたより小さいな。


店内は一切の撮影が禁止とのこと。とはいえ、ネットにいくらでも様子はアップされているので、その辺は各自ググってみてほしい。


・本店

中は活気があり、カウンター席もテーブル席も外国人でいっぱい。聞くと、もうすっかり観光客が戻っているとのこと。スタッフも客も、店内のBGMも賑やかで、けっこうエネルギッシュな雰囲気だ。

さて、「すしざんまい」と言えばクロマグロ。せっかく来たなら各部位をコンプせねばならないだろう。ということで、「赤身(437円)」「中とろ(547円)」「大とろ(657円)」をオーダー。

それだけでは足りないので、「カジキ(140円)」と「こはだ(272円)」も追加し、“本日のおすすめ” から「黒むつ(294円)」と「ぶりとろ(371円)」も注文した。

スタイルとしては、カウンターの向こうに寿司シェフがいて、口頭で伝えたオーダーをその場で握ってくれる感じだ。回転寿司とは違い、全て1オーダー1貫でのお値段で、握った寿司は黒い寿司下駄に乗せられる。

まずはサイズから。撮影は禁止でも、紙とペンという昔ながらの手法は有効。出てきたマグロシリーズの寿司ダネのサイズは、長さ約10~12センチ。幅は2~2.5センチといったところか。

回転寿司で定番の短冊形ではなく、断面が台形~三角形のようになる感じの切り方だった。まあこの辺は、その時々で用意されている魚のブロックの状況に応じて変わる可能性がありそう。

食べてみると、これは間違いなく普段行くスシローや はま寿司 よりワンランク上のウマさだ……! まあ値段が倍以上なので、クオリティ込みのコスパ的には同等なのだが、商売の仕方が全く違うことが分かる。

特に「大とろ」のウマさは素晴らしい。大手回転寿司チェーンのフェア等で出てくるそれよりも、脂のクドさが控えめで、スルッと食べられる。

何貫も食べたくなる大トロは久しぶりだ。店舗数が少ないことの強みか、クオリティコントロールが圧倒的にしっかりしてそうな気がする。

ということで、外国人観光客がとりあえず入って、日本の普通の寿司を知るにはアリだと思う。ただ、庶民が質より量と安さを求めて食べる場合は、大手の回転ずしチェーンの方が要望にマッチしそうだ。



・廻る

さて、本店は値段相応にしっかりウマい良い寿司屋だったが、気になるのは近くにある別のスタイルの店舗。その筆頭は「廻るすしざんまい」。


本店から徒歩5秒くらいというか、細い路地を挟んで斜め向かいにある。こんな目と鼻の先に出す意味あるのか……? と思ったが、ここは外国人観光客が多く、彼らからすればConveyor Belt SUSHI自体にエンタメ的な価値がありそう。

それを考えればアリなのかもしれない。とりあえず入ってみよう。入って秒で把握したが、ここは完全に本店とはクオリティが違う

とりあえず「本鮪三貫盛(1094円)」、「かじき(162円)」、「こはだ(272円)」をオーダー。

ここでも寿司シェフが目の前で握ってくれるスタイルだが、握りは回転寿司にありがちな皿に乗せられて出てくる。

食べてみたが、寿司ダネのサイズは圧倒的に小さくて薄い。普通の回転寿司クオリティだ。マグロにはこだわりを感じるが、本店の方がウマく感じる。カジキとコハダは1皿2貫だったが、特別な感想は皆無なクオリティ。超普通

そして”本日のおすすめ”の数が死ぬほど少ない。本店では20品以上あったが、廻る方は10品にも満たない感じだった。また、回転寿司としての魅せ方も、スシローや はま寿司、くら寿司等と比べると、未熟であるように思う。

ぶっちゃけ会社として回転寿司にそこまで力を入れていないのではなかろうか。とりあえずConveyor Belt SUSHIを体験したい人向けって感じ。

あるいは築地に在住で、寿司でさえあれば何でもいいってバイブスの人が、サッと入ってコストをおさえまくって食って帰るみたいな時のスポット。本店よりも空いているので、ゆっくり飲めるというのもある。

断言するが、近所にいくらでも大手寿司チェーンの店舗がある日本人が、築地まで出てきていくべき店ではない。もう少し金を出して、徒歩5秒の距離にある本店に行った方が100倍くらい良いと思う。



・匠

本店と “廻る” の落差が激しすぎて驚いたが、こういう感じなら行く順番を逆にするべきだった。本店の寿司の余韻のまま帰りたかったぜ。

口直しにどっかで何か食って帰るか……と思って銀座まで歩いたところ、またしても「すしざんまい」を発見した。こんどは “匠” である。強そうだ。


見つけた流れでフラフラと入ってみたが、特に予約しなくとも大丈夫な様子。そのまま奥のカウンター席に案内された。

スタイルとしては本店と同じ。目の前の寿司シェフに口頭でオーダーを伝えると、目の前で握ってくれる。“匠” ということで、ぶっちぎりでお高いのかと思ったが、グランドメニューは全く本店と同じだ!

最大の違いは店内の雰囲気。まず、ほど良く静か。店内のBGMの音量も控えめな気がする。外国人観光客は一人もおらず、ご年配のマダムや、金持ってそうなおじさんなどが静かに料理を食っている。

また、よく見ると「本日のおすすめ」が凄い。その日によって変わるらしいのだが、1つ数千円の巻き寿司などが並んでいた。たぶんこれが “匠” の本質なのだろう。

他にもコースメニューなどがあるようで、握りに特化した寿司屋というよりは、お造りなども含めたお高い鮮魚系料理のお店という感じなのではなかろうか。

ここでも本店と同様に、グランドメニューから「赤身(437円)」、「中とろ(547円)」、「大とろ(657円)」、「カジキ(140円)」、「こはだ(272円)」をオーダー。さらに “本日のおすすめ” から「はも(272円)」と「黒むつ(294円)」をチョイス。


食べてみたが、ウマさクオリティは本店と同じだと思う。ただ、お店全体の忙(せわ)しなさが “匠” には無く、寿司シェフにも余裕があるので、とても落ち着いて食べられる。

体験も込みだと、“匠” が最高と言わざるを得ない。また、それとなくお店の方に聞いたところ、グランドメニューの値段は本店などのノーマル店舗(別館、本陣、奥の院等は全て本店と同じランク)と変わらないが、良い魚はより高級志向の “匠” に行きがちだという話も出た。

マジかよ! 通常の「すしざんまい」に行くのと同じ予算で同じものを食べることもできるし、ワンチャンいい魚が入ってることもあり、その気になれば豪華なメニューもイケて、店は静か(客層的にも)で落ち着いている。いよいよ “匠” 一択じゃねぇか……!!

公式HPでは “極・匠” とあり、同ランク帯に “極” の存在が示唆されているが、お店の方によると今は無いらしい。ということで「すしざんまい」シリーズ最強は “匠” で確定だ。

私は今回の初「すしざんまい」でノーマル、廻る、匠を網羅したが、きっと中にはノーマルまでしか行ったことが無かった方もいるだろう。ぜひ “匠” デビューしてみてくれ!

参考リンク:すしざんまい
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.