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みなさんはアメリカの画家、ボブ・ロスをご存じだろうか。日本では1990年代前半に油絵のテクニックを紹介する『ボブの絵画教室』が放送され、アフロヘアーという特徴的な姿と分かりやすい説明で多くのファンを獲得した。

そんなボブ・ロスを紹介するテレビの番組内で、ボブ・ロスの顔をほかの人物にコラージュしたにせの画像が紹介されるというハプニングが発生。「前代未聞の放送事故」として騒動になっている。

・過去最大級の放送事故

大型の放送事故を起こしたのは韓国のMBC放送。2013年12月18日放送のトーク番組『気分の良い日』で、「1995年に悪性リンパ腫で死亡した画家ボブ・ロス」と紹介したところ……ボブ・ロス風に加工された故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領のコラージュ画像を流してしまったのだ!しかも画像をよく見ると、背景の油絵の中にも盧大統領の顔がある。この画像は韓国のネットユーザーが盧大統領をバカにするために制作したものだった。

・韓国元大統領をおちょくる画像

盧氏は韓国の第16代大統領。任期は03年から08年までだ。李明博(イ・ミョンバク)元大統領に政権が移ると、不正献金疑惑が浮上したことにより側近や親族が相次いで逮捕され、09年5月にはなんと自宅の裏山から投身自殺をしてしまった。元大統領の自殺という衝撃なニュースは、韓国のみならず世界中を駆けめぐった。

韓国の保守系コミュニティーサイトでは、時々、盧大統領をおもしろおかしくネタにした画像や動画、ゲームを制作されており、その度に騒動になっている。今回MBCが使用した画像も、韓国の「2ちゃんねる」と言われるコミュニティーサイト「日刊ベスト貯蔵庫(通称イルベ)」で出回っていたものとみられている。

・MBCは直ちに謝罪

MBCは放送した直後に、「有名画家ボブ・ロスの写真が制作陣の勘違いにより故・盧武鉉大統領の合成写真を流してしまいました。視聴者の皆さんにお詫び申し上げます」とのテロップを流して謝罪。また、その後に報道資料も発表し、放送事故があったことを認め、重ねて陳謝した。

・あきれるネットユーザーたち

韓国のインターネット上には「これは歴代最悪の放送事故として残るんじゃないかな」、「どうしてこれが区別できないの?」、「自滅」などのコメントが並んでおり、今回の騒動についてネットユーザーたちはあきれているようだ。

・なぜボブ・ロスと間違えたのか?

間違った画像を使用してしまった原因はハッキリしていない。ただ、Googleで「ボブ・ロス」とハングル表記で検索し、さらにサイズを「大」にすると、問題の画像がまっ先に出てくることが分かっている。ボブ・ロスの顔を知っていれば、それがボブ・ロス本人ではないことはすぐに分かるのだが……。

韓国メディアNews1は、製作側がGoogleで検索し、一番始めに掲載されていた画像をそのまま使用、そして放送事故につながったのかもしれない、と指摘している。

参照元:News1(韓国語)、YouTube
執筆:レイチェル

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▼Googleで検索すると上位に出てくる。
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▼これがボブの絵画教室