ビジネスホテルを予約する時、建物や周辺の状況を確認する人は少ないと思う。日本だったら確認するまでもない。サービスは変われど基本の型に大きな違いはないからだ。その確立された動線デザインからは、日本人がビジホに求めているものが感じられる。要は「サッと泊まれる」使い勝手の気軽さだ。

だが、そのノリで確認せずに中国のビジネスホテルを予約したところ、ホテル前に到着した際衝撃を受けた。え? ここで合ってる? 合ってますよね……!?

・予約したビジホ

予約したホテルの名前は『北京华通新商务酒店(ワットンニュービジネスホテル北京)』。Trip.comで1泊5000円くらいだったので庶民的なビジホと言えるけど、北京の価格帯を考えるとそこまで下というわけでもない。

日本で言うルートインくらいのランクをなんとなく想定してホテルに向かった。ホテルがあるのは団地が建ち並ぶ住宅街の一画。周辺には社区もあって歩くだけでも地域みが感じられた。地図によるとこの辺りなんだけど……


……もしかして、これか?

・嘘だろ

暗闇の中にぼんやり浮き出る『华通新商务酒店』と書かれた看板。名前は確かに一致している。だが、看板に漂うオーラがビジネスホテルのそれじゃない。そもそもこの看板が出ているポイントが、路地かどうかも不明なビルの隙間を進んだ先の暗がりなのだ。魔窟みたいなオーラ出ちゃってるんですけど!?

看板が出ている先も道があるのかないのかよく分からない感じ。本当にここで合ってるんだろうか? 看板が出ているにもかかわらず確証が持てないため、先に進んでみたところ……


確かにホテルが佇んでいた。

ホテル自体はめっちゃ普通。そして、その普通さがまたパラレルワールドに迷い込んだような雰囲気に拍車をかけている。全く狐につままれたような立地である。

・チェックインしてみた

チェックインしてみると、ホテル内は、日本で言う地方のちょっと古びたビジネスホテルくらいのクオリティー。部屋の中も日本のビジネスホテルとほぼ同じで、ベッド中心に小さくまとまっている配置にくつろげる雰囲気があるところも同じだ。

あえて違う部分を探すなら、トイレ風呂か。ビジホ定番の3点ユニットバスではあるんだけど、バスタブはなく、シャワーの設置場所が便器のほぼ真上である。

防犯的にもしっかりしていて、ロビーと客室棟の間にオートロックがあり、部屋のドアもオートロックとなっていて、窓には鉄格子がハマっていた。


ビジホで鉄格子は初めて見たな。

・ならではの体験

そんなわけで、たどり着くまでのオーラが常軌を逸していたこのビジネスホテルだが泊まってみると快適。また、翌朝散歩してみたところ、周辺の団地の朝の空気になんとなく北京の息遣いが感じられた。

そのとっつきにくさは日本人にとってのビジホのイメージから大分外れているけど、それゆえに海外も感じられるワットンニュービジネスホテル北京。ボロボロのビルを分け入った奥のホテル前の砦感に、ならではなアドベンチャーみのある良い宿泊体験であった。

・今回紹介したビジネスホテルの情報

店名 北京华通新商务酒店(ワットンニュービジネスホテル北京)
住所 中国北京市朝阳区工体北路1号

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼朝見てもやっぱり味のあるホテルだ

▼周辺は住宅街

▼地元みがあった