2026年9月23日、東京・銀座の商業施設「GinzaNovo(ギンザノボ)」の回転すし根室花まるが閉店する。この施設は入居していたテナントが続々と抜けて、立ち入れるエリア自体が限られている状況だ。2027年末から大規模改装するとのことだが、どうなるのやら……。

奇しくも同日、別の商業施設にある老舗アイスクリームブランドの唯一のパーラーも閉店するらしい。そのお店とは外資系高級アイスクリームブームの先駆けとなった「ホブソンズ」だ。

自慢のアイスを使ったフルーツたっぷりの贅沢パフェが食べられる、たったひとつのお店だったのだが、花まると同じく9月23日の閉店が決定している……。

・有明ガーデンの今

入居する有明ガーデンはコロナ真っただ中の2020年6月に開業している。正確には、同年4月に約1カ月の外出自粛期間があり、世の中がコロナとの付き合い方を模索している最中だ。

仕事柄、施設の開業日については取材等で把握しているつもりの私(佐藤)だが、有明ガーデンに関しては、何ひとつ覚えていないのである。伝え聞くところによると、東京ガーデンシアターで公演がある時とない時とで、混雑状況がまったく異なるという。


つまり公演がない時は閑散としているらしいのである。その様子も踏まえて、閉店が近づくホブソンズを利用してみることにした。最寄駅の東京臨海鉄道りんかい線の「国際展示場」から徒歩約10分のところにある。


この手の大型商業施設は入口までが遠いんだよなあ。どこだろう、入口は? 初めて来るはずなんだけど、なんかこの景色見覚えがあるなあ。外階段から2階に上がった先に入口があるらしい。

う~ん……。なんかこの雰囲気、知ってる気がするけど、知らない気もする。仮に来てたとして、なんでここに来たんだろうなあ。

それにしても人が少ないなあ。平日昼だからってのもあるだろうけど、アクセスが良いとは言えない。そもそもこの辺は豊洲もあるし、少し行くとお台場もあるからなあ。有明の存在感は、元より薄いと言わざるを得ないかも。

あ、思い出した! 去年3月、施設2階のフードエリアに来てました。

ピザBENTO」専門のドミノに来てたんだねえ。それを忘れてしまうくらい、この辺に縁がないんだなあ~……。


入居テナントを見ると、飲食店は結構しっかり稼働しているみたい。入口間近の吹き抜けスペースは、いくつかパテーションで区切られたエリアがあったので、完全に埋まり切ってるとは言えないけど、それでもGinzaNovoよりはずっとマシかなあ。


・パーラーがなくなる

5階のフードコートフロアに上がると、やっぱり利用客は少ない。テラス席のあるこのフロアの席数はおおむね900と言われているけど、100も埋まってないかもなあ。夏休みも終わりシルバーウィークまでまだ日がある。したがって少ないのもまあ自然なのかも。

とはいえ、この広さに対してこの人数はさみしい……。


それでホブソンズはフロアのほぼ真ん中にある。そういえば、ホブソンズの店舗を目にするのはいつぶりだろうか?

ホブソンズは、1985年に米サンタバーバラ発のアイスクリームブランドとして東京・西麻布に1号店が誕生し、バブル期に高い人気を誇った。深夜まで営業していたことから、夜中に並んでまでアイスを食べることが、ひとつのトレンドにもなったほどだ。

アイスにフルーツやお菓子を混ぜる「ブレンドアイスクリーム」の先駆けでもあり、のちにコールド・ストーン・クリーマリーの流行の礎を築いたといっても過言ではない。

もっとも多い時で全国約40店舗まで拡大したが、現在はこの有明ガーデン店を除いて、10店舗にとどまっている。ブレンドアイスでは後発のコールドストーンに、店舗数では先発のサーティワンに大きく溝を開けられた格好だ。

だが、今となってはそのコールドストーンも全国に3店舗となり、サーティワン一強(いっきょう)時代に入っている。

そしてこのお店も間もなく閉店……。


名残りを惜しんで桃フェアの「まるごと桃パフェ」(税込2280円)と「ブレンドコーヒー」(税込450円)を頼んだ。


閉店すると知ってから、初めてホームページを見て、このお店がしっかりとしたフルーツパーラーであることを知った。もっと早く知っていれば……、悔やまれる。


9月に旬を迎える桃は「晩生(おくて)」と呼ばれるらしい。つまり、パフェの桃は時季外れのものではなく、まさしく今が食べごろのもの。見るからに瑞々しくて、表面からしたたる果汁が実に美味そうである。


ではさっそく頂きま……、っとコレは!?

久しぶりに見る先割れスプーンじゃないか! ちょっとうれしいな。


改めて頂きます。この時季に食べる桃は初めてだが、口に入れるとジュワリと甘い果汁がほとばしる。果肉はしっかりとしていて、食べ応えがある。

そんな桃をまるごと1玉も使っているので、食い甲斐は十分。酸味は少なくクセのない甘さ、その美味しさはまさに「贅沢」と呼ぶにふさわしい。何より、果物の扱いが上手く、名ばかりの「パーラー」でないことがわかる。お店がなくなるのは惜しいなあ……。


桃の下に潜んでいるのは、看板商品のアイスクリーム。「マスカルポーネチーズ」のフレーバーじゃないだろうか。濃厚かつ上品な甘さで、ねっとりとしているのにサッパリとした口どけ。サーティワンやコールドストーンよりも、はるかにリッチな口当たりとまろやかさである。


さらに隠されたナッツ類、それからカスタードクリームなどと、アイスとの相性も良い。さすがブレンドアイスを売りにしているだけのことはある。


このお店がなくなると、フルーツパフェを食べられるホブソンズは消滅してしまう。ぜひなくなる前に、1度食べてみて頂きたい。なお、他店ではアイスクリームのほか、クレープの提供も行っているので、それらを楽しんでみてはいかがだろうか。


・今回訪問した店舗の情報

店名 ホブソンズ アイスクリームパーラー 有明店
住所 東京都江東区有明2丁目1-8 有明ガーデン内モール5F
時間 11:00~23:00(L.O. 22:00)
※2026年9月23日閉店

参考リンク:ホブソンズ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24