
世の中はアップルが発表した2つ折りの新型iPhoneの話題で持ち切り……、ってほどでもないけど、かねてから噂のあったパカパカiPhoneがついに発売されることになった。とはいえ販売価格は約36万円で、なかなか容易に購入に踏み切るわけにはいかないのだが……。
実は同日(2026年9月10日)、生成AI界隈でも大きなニュースが飛び込んだ。それは、楽曲生成AIの「SUNO」がバージョンアップして「v6」に進化したのである。
いろいろ機能がパワーアップしたのだが、中でも私(佐藤)が注目したのは、プロンプト(指示文)だけでなく、画像・動画からも音楽を生成できるようになったこと。そこで編集部メンバーの顔写真を投げ込んで曲を作ってみた! どんな曲ができるかな?
・かねてからの問題がクリアに
今回のバージョンアップでもっとも大きな変更点は、ワーナー・ミュージック・グループ、BMG、ビリーブなどの音楽業界のパートナーと開発したことだろう。これまでのバージョンは無許可でAIに音楽学習をさせているのではない? という点が問題になっており、権利的にグレーな側面があった。
今回音楽大手と手を組んで開発したことで、これまで問題視されてきた権利面についても、新たな方向性が示された。それに伴って過去のバージョン(~V5.5)はv6のリリースと共に利用できなくなっている。
まあ、この辺の細かい話は、専門性の高いサイトに譲るとして、私がもっとも興奮しているのは、画像を音楽にできることだ。さあ、どんな遊びができるかな?
ちなみに私は最上位のプランに入っているのだが、無料プランでもv6世代の「v6-mini」を利用できるので、参考にして頂きたい。ただし、使用できるクレジットの制限があるので、その点、注意して頂きたい。
・画像から音楽
まず最初にSUNOを起動して、生成画面(CREATE:スマホはアプリ下中央の音符マーク)を開き、シンプル(SIMPLE:スマホは「単純」)モードを選ぶ。すると画面上部の項目に「Image」というのがあるはずだ。そこから画像をアップロードする。
スマホアプリの場合は、上の項目の左端に「+」ボタンがあるので、そこから画像を選択してアップロードする。
あとは必要に応じて、その下に指示文を書き足しても良い。日本語の曲を生成したい場合はそこに「日本語の曲」と書けば良いし、「ジャズ」とか「ロック」とかジャンル指定しても良いだろう。私は今回、あえて指定しなかった。というのは画像だけで、どんな曲を作ってくれるか興味あったからだ。
まずは景色の写真で試してみるとしよう。当編集部のある新宿2丁目の交差点の写真を撮って、そのままSUNOに投げ込んだ。
そうしたところ、歌詞のある曲ができあがったのだ! これまでの生成方法だと、歌詞を入力する欄を空白にしておくと、インストゥルメンタルになったのだが、画像からの生成は何も指定しなくてもオリジナルの歌詞を作って歌うのである。これはたまげた!
1度の生成で2曲生成されるので、それをつなぎ合わせてYouTubeにアップロードしている。2曲の歌詞の内容を一部抜粋して紹介しよう。
『Borrowed View』(借りものの景色:cinematic indie folk-pop,)
サビ
「Take me where the quiet opens wide Past the fields and fences we outgrew If the road keeps changing with the tide I’ll keep finding every turn with you No grand promise, just this borrowed view And the small brave world we’re walking through」
(静けさが大きく広がる場所へ連れて行って もう卒業したあの野原や柵を越えて 潮の満ち引き??とともに道が変わり続けても あなたとなら、その曲がり角を一つひとつ見つけていける 大げさな約束なんていらない ただ、この「借り物の景色」と 私たちが歩んでいく、小さくも勇敢な世界があればいい)
『TOKYO GLOW』(ambient synthwave)
サビ
「Tokyo glow in the neon rain Washing away the quiet pain In the shadows where the silence falls Echoes bounce from concrete walls」
(ネオンの雨に輝く東京 静かな痛みを洗い流して 静寂が降り注ぐその陰で コンクリートの壁にこだまが響く)
たった1枚の写真でなんとも詩的な歌詞を生成するんだ。ちなみに2曲ともメロウで邪魔にならない穏やかな曲だ。おそらく風景画像には、Vlogとか写真のスライドショーなどにのせても、それなりに馴染むテイストに仕上がるような仕様ではないか? と想像している。
・人物写真ではどうか?
続いて人物写真はどうなるだろうか? 私の写真を投げ込んでみた。
そうしたところ、ちょっと驚くような内容の歌詞を紡いでくれてうれしくなってしまった。歌詞はこうだ。
『Crown of Silver』(銀の冠:upbeat retro-soul and funk-pop)
Aメロ
「Silver curls reaching for the ceiling Black frame glasses, sharp and clean You walk in and the room starts leaning Like it knows exactly what you mean」
(天井へと伸びる、銀色のカールした髪 黒縁の眼鏡が、その鋭く洗練された印象を際立たせる あなたが足を踏み入れると、部屋の空気が傾き出す まるで、あなたの意図をすべて理解しているかのように)
Bメロ
「No need to raise your voice You make an entrance just by choice」
(声を張り上げる必要なんてない ただそこに現れるだけで、あなたは主役になる)
サビ
「Crown of silver, heart of gold Turning every ordinary moment bold With a crooked grin and a confident stride You bring the whole wide room alive Crown of silver, shining bright A little bit of thunder dressed up right When you step through that door, we all know The good kind of trouble’s ready to show」
(銀の冠を戴き、黄金の心を持つ人 ありふれた瞬間を、大胆で鮮やかなものに変えていく 少し歪んだ笑みと、自信に満ちた足取りで 広い部屋全体に活気を呼び込む 輝きを放つ銀の冠 それはまるで、洗練された装いをまとった雷鳴のよう あなたがドアをくぐれば、誰もが直感するはず 「最高に愉快な騒ぎ」が始まる合図だと)
「銀の冠を戴き、黄金の心を持つ人」、なんかめちゃくちゃ肯定的な占いの結果が出たみたいで、すごくうれしいんですけど! SUNO、よくやった! ワシャ、うれしい!! レトロソウルって曲選もグッと来る。
画像のアップロードは1つのファイルだけでなく、複数のファイルを上げることができる。そこで私・和才・原田・あひるねこの4人の画像を上げてできたのがこの曲だ。
『Behind the Little Screen』(小さな画面の向こうで:lo-fi indie folk-pop)
Aメロ1
「Grey curls rising by the window frame Silver on the glasses, steady as a flame Black shirt, quiet grin, you make the morning kind While the traffic folds its paper outside」
(窓枠のそばで揺れる、灰色のカールした髪 眼鏡に映る銀色の光は、炎のように静かで揺るぎない 黒いシャツ、穏やかな笑み、あなたが朝を優しいものに変える 外では車の流れが、まるで紙を折りたたむように行き交う中)
Aメロ2
「Mauve sleeves rolled up beside a mountain of sheets Two big water bottles standing guard by your feet A little brown monkey watches every deadline fallYou stare through the clutter like you’ve seen it all」
(山積みの書類の横で、モーブ色の袖をまくり上げ 足元には二つの大きな水筒が、まるで番人のように立っている 小さな茶色い猿の置物が、次々と過ぎ去る締め切りを見守り あなたは散らかった机越しに、すべてを見通すような眼差しを向ける)
4枚の画像に含まれる要素を上手く拾い上げて、あたかも意味がありそうな歌詞に仕上げている。AIもここまで来たのか。
なおこの時、私と4人の楽曲だけでなく、和才・原田・あひるねこ、それぞれ単体でも曲を作っている。そうしたところ、人物は違ってもできる曲が近しい感じになってしまった。それはおそらく、当たり障りなくまた意味ありげなものを作るような設計になっているからかもしれない。
なぜかちょっと暗くて「別れ」を感じさせるような曲ばかりになった。
いずれにしても、これでますます音楽知識のない人でも曲作りがしやすくなったはずだ。音楽理論がわからない、歌詞も書けない。でも画像1つ・ビデオ1本からできるので、試しやすくなったはず。オリジナルソングを作ってみたいという人は、ぜひ試して欲しい。自分だけの音楽を作るって楽しいぞ!
参考リンク:SUNO
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
Screenshot:SUNO
▼和才の写真から生成された曲『Where the World Went Quiet』(世界が静寂に包まれた場所)
▼原田の顔写真から生成された曲『Where the Blue Turns Gold』(青が黄金に変わる場所)
▼あひるねこの顔写真から生成された曲『Make a Little Room』(少しだけ場所を空けて)
佐藤英典




































