あなたは『想夫恋(そうふれん)』と聞いて何のことかすぐにお分かりになるだろうか? 一瞬で理解した方は九州の方、もしくは相当なグルメさんであろう。

恥ずかしながら私自身もつい先日まで『想夫恋』のことを知らずにいた。が、アメ横をフラフラと歩いていたところ「1日1万2000食を売り上げるやきそば」の看板を発見! 1日で……1万2000食だと?

・ソウルフード

調査によると想夫恋は大分県日田市のご当地グルメ「日田焼きそば」だという。日田のソウルフードとも称される「日田焼きそば」の元祖が『想夫恋』で、九州地区を中心に40店舗以上を展開中だ。

九州で『想夫恋』は超有名で「本物の焼きそば」「一度食べたらヤミツキになる」などと、2016年に公開されたロケニューの記事に書いてあった。その『想夫恋』が2024年3月に東京初上陸を果たしていたのである。

場所は上野アメ横のど真ん中だが、お店の規模自体は慎ましいもの。オープン記念の花輪も無ければ特にニュース等でも見かけないため、ある意味で “ステルス上陸” と申し上げていいのかもしれない。

冒頭でもお伝えした通り私は『想夫恋』を知らずにいたが、これは気になる……! というわけで、オープンして間もない『想夫恋 上野店』で人生初の『想夫恋』及びに「日田焼きそば」を食べてみることにした。



・想夫恋の特徴

注文したのは「焼きそば」(1200円)と「目玉焼き」(180円)の2点。本店の焼きそばは1000円なので、いわゆる “東京価格” なのだろう。いずれにせよ焼きそばにしては、なかなか強気な価格設定である。

で、この日はほぼ満席だったが到着までは20分ほど時間がかかった。というのも、想夫恋は炒めではなく “焼き” にこだわっているため、通常でも「10分〜15分程度のお時間を頂戴しております」とことだ。

やがて到着した「焼きそば」は、これといって特徴のないヴィジュアル。材料は極めてシンプルに「肉」「もやし」「ねぎ」くらい。このシンプルさが逆に想夫恋の特徴なのだろうか?

・食べてみた

さっそく食べてみると……うむ、ウマい。「過去に食べて来たどの焼きそばとも違う!」ということは無く「至ってシンプルな焼きそば」という感じ。強いて言えば「家の焼きそば」が最も近い。

また、たまたまかもしれないが、こだわりだと聞いていた “焼き” はさほど感じられなかった。当然 “ジューシー系” ではなかったものの、カリカリ系の明らかな焼き感を期待し過ぎていたのかもしれない。

一方で材料はかなりいいものを使っているのではないだろうか? 素材へのこだわりをまとめた「想夫恋物語」(公式サイトで公開)によると、豚肉やもやしはかなり上質なものを使用しているようだ。



・シンプルゆえに

正直な話、とてつもないインパクトを感じたわけでは無かったが、このシンプルかつ上質なおいしさが想夫恋の特徴なのかもしれない。上質がゆえに何度か食べるとハマる可能性は高いのだろう。

とにもかくにも、九州では圧倒的な知名度を誇る『想夫恋』がいよいよ東京初上陸を果たした。日田市のソウルフードがついに全国区の焼きそばになる……のかもしれない。

・今回訪問した店舗の情報

店名 想夫恋 上野店
住所 東京都台東区上野4-6−7 白鳥舎ビル1F
時間 ランチ11:00~15:00 / ディナー17:00~22:00
定休日 不定休

参照元:想夫恋公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.