2020年12月14日、ペヤングの新商品『ペヤングポテトやきそば』が発売開始となった。発売前から「栃木のヤツだ」「群馬のヤツだ」「両毛地域のB級グルメだ」などと噂されていた話題作である。

過去に栃木県で「じゃがいも入り焼きそば」を食べたことがある私、P.K.サンジュンは密かに『ペヤングポテトやきそば』の発売を心待ちにしていたのだが……。結論から申し上げてしまおう、ペヤングポテトやきそばはウマい。が、売れない! ……と思う。

・B級グルメ最高峰のウマさ

群馬県と栃木県にまたがる両毛地域では、昔から焼きそばにジャガイモを入れるのが当たり前だという。ホクホクのジャガイモと香り高いソースのコンビネーションは信じがたいほど相性抜群! お世辞にも高級感あふれる味ではないものの、B級グルメとしては最高レベルの完成度と申し上げておく。

ペヤングが過去に展開してきた「アップルパイやきそば」や「スカルプDやきそば」とは違い、今回の『ポテトやきそば』はモデルがある分、味の想像もつきやすい。公式サイトでは、


「大きくカットされた皮付きのポテトをたっぷりと使用した、ポテトの旨味を存分にお楽しみいただける商品です」


……と、モデルの存在には触れられていないものの「ポテト焼きそば」や「じゃがいも入り焼きそば」を少なからず参考にしたことは間違いない。それほどどちらの焼きそばもB級グルメ界隈では有名な激ウマメニューである。

・想像通りのウマさ

さて、『ペヤングポテトやきそば』はかやくに皮付きポテトが入っており、ソースも通常と比べると粘度が高いのが特徴だ。とはいえ、かなり平たく言えば「いつものにポテトが入っているペヤング」と考えていいだろう。少なくとも「ペヤング独自のポテトやきそば」ではない。

そして味は想像通りウマい! それもそのハズ、あくまでいつものペヤングの派生形なのだから。ソースはいつもよりややマイルドさが控えめで「ちょい辛口かな?」といった感じ。おそらくこれを食べて「おいしくない」という人はいないハズだ。

さらに言えばポテトもやはりイイ味を出している。本場で本物を食べたことがある身としてはややボリューム感に欠けることが残念ではあったが、それでも改めてジャガイモとソースの相性の良さを再確認した次第だ。ズバリ、歴代ペヤングの中でも上位に来るウマさではないだろうか?


……が!


残念ながら、おそらく『ペヤングポテトやきそば』はそこまで売れないハズ。理由は大きく3つ、「地味すぎること」「美味しさが伝わりにくいこと」そして「時代にマッチしていないこと」だ。

こんなことを言うと両毛地域の方に怒られてしまうかもしれないが、そのウマさの割にポテト焼きそばの知名度が低いのは、とにかく地味だからではなかろうか? 実際に食べるとメチャメチャ美味しいのに、そのウマさが伝わりにくいことも非常に痛い。そして悲しい。

加えて、このダイエット至上主義のご時世に「炭水化物 × 炭水化物」のポテト焼きそばは、どうしても敬遠されがちなメニューだろう。惜しい……実に惜しい。時代が時代なら『ペヤングポテトやきそば』は爆売れしていた……のかもしれない。

というわけで、個人的には「ウマいけど売れないだろうなぁ」というのが『ペヤングポテトやきそば』を食べた率直な感想である。『ペヤングポテトやきそば』はメーカ希望小売価格税別205円、ビッグサイズも同時に発売中だ。

参考リンク:ペヤング公式サイト
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.