鯖好きである私(中澤)はスーパーのサバ缶のコーナーを見るのが好きだ。水煮、味噌煮はもちろんのこと、オリーブオイルにトマト味などサバ缶ってマジで多種多様。色とりどりの花を咲かせているのである

だがしかし、御徒町の吉池でサバ缶コーナーを見ていた時、いささかオンリーワンすぎるサバ缶に出会った。その名も「鯖チョコ(税込416円)」。なんと、チョコレート風味の鯖である。やったー! バレンタインにぴったりだね!!

・鯖好きでもヘコむレベル

……ってなるかーい! 鯖好きの私でもバレンタインにこれをもらったらヘコむに違いない。思わず購入前にブチギレてしまったが、食べずに判断するのは鯖に悪い。というわけで購入してみた。

言うてチョコって甘くないヤツとかもあるしな。カカオの風味だけを活かしながらなんかウマイことやってるのかもしれない。製品化の前に試食くらいするだろうしな。と頭の中で次々と勝手な考えが先走ったのだが、原材料を見るとバッチリ砂糖と書かれている。オイ……。



・開けてみると

さらには、栄養成分表示を見ると炭水化物量が6.9gになっていた。参考までに言うと、同じくらいのサイズのMARUHA NICHIRO「月花さば水煮」は炭水化物量が0gである。結構ガッツリ入ってるくさい。

缶を開ける前から尋常じゃないオーラを漂わせるこの缶詰。おそるおそる開けたところ、衝撃の光景が目に飛び込んできた。こ、これはァッ……!

チョコでベッタベタや


いまだかつてこんなにチョコレートにまみれた鯖を見たことがあるだろうか? いや、あろうはずがない。なぜなら、鯖にチョコソースがついていることすら初めての体験なのだから。

それほどにチョコと鯖は遠い位置にいる。決して出会うことがない2つだと思っていたんだけどなあ。思わず遠い目になってしまうのは禁断の扉を開く前が懐かしいからかもしれない



・堕ちた鯖

変わり果てた鯖の姿。茶色く染まった肌は完全にチョコに堕ちている。だが、私も1人の鯖好きとしてそんな鯖を見捨てたりはしない。どこまでも一緒だ。まとわりつくチョコの海から鯖を救い出し食べてみたところ意外な味がした

甘さの質が甘ったるい感じではなくコク深い。さらには、そんな甘みが鯖の芯まで染みていて、ホロリと崩れるような食感。鯖の味とマッチするこの甘みは……


味噌煮。

どういう原理でこの味になっているか定かではないのだが、身の中まで染みているということは味噌煮で下味をつけてからチョコに堕としているのだろうか? しかし原材料にみその記載はない



・正直言うと

さらに驚くべきはタレを舐めても味噌煮の味がするということ。むしろ、チョコの味を探してしまうくらい味噌煮でしかない。めっちゃ白ご飯に合いそう。チョコなのに……!

ひょっとしたら鯖+甘みという時点でもう味噌煮の術中にハマっているのかもしれない。改めて鯖の懐の広さを知らしめた「鯖チョコ」。その味は実に鯖。鯖すぎたと言っても過言ではないだろう。

一方でこうも思った。「だったら味噌煮でいいんじゃね?」と。もうちょっとチョコ要素あっても良かったかもね。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.