2022年9月10日は、中秋の名月(十五夜)! 太陰太陽暦(明治時代初期まで使われていた、月の満ち欠けを基準にした暦。単に旧暦とも)の8月15日に該当する。

そして2022年の中秋の名月は、パーフェクトに9月の満月の夜でもあるのだ! これはお月見待ったなしだろう。

・満月とは限らない

「中秋の名月」は先述のように旧暦の8月15日と決まっている。しかし必ずしも毎年十五夜に満月になるとは限らず、確率的には満月が遅れてくることが多い

理由としては複数あるが、分かりやすいのはシンプルに月の満ち欠けの周期の問題だろう。まず、十五夜は月齢が14.0の月を含む日の夜。

対して月の満ち欠けの周期は約29.5日で、半分にしたら約14.8。月の満ち欠けの周期の半分の方が長いため、確率としては満月が遅れる方が多くなるのだ。

ちなみに2021年から2023年は連続で中秋の名月と満月がぴったり重なるが、その次は2030年まで1日~2日ズレ続けるぞ!


・ハーベストムーン

恒例のネイティブアメリカンによる呼称も紹介しておこう。今年の9月の満月は「ハーベストムーン」だ! この呼称は、秋分の日に最も近い満月のみに適用される。

そのため、他の呼称のように何月か決まっていないのが特徴。その年によって9月恒例の「コーンムーン」か10月恒例の「ハンターズムーン」のどちらかが「ハーベストムーン」になる。

名前の由来は、文字通りネイティブアメリカンたちにとっても重要な穀物(トウモロコシ)が収穫期を迎えるから。わかりやすい。

ハーベストやコーンな気分でない方には、別の呼称も紹介しておこう。北米最古の暦系メディアThe Old Farmer’s Almanacによると、クリー族には、Mating Moon(交尾ムーン)Rutting Moon(発情ムーン)という名称もあるそうだぞ! 


・天気は

ということで、10日の夜はなんとしてでもお月見をしたいところ。そこで気になるのは天気だ。台風12号が発生したそうだが、はたして晴れるのだろうか?

気象庁の9日の時点での発表によると、宮古島辺りは晴れのち雨との予報。しかし沖縄から九州の大半が晴れ! 北海道も晴れ! 本土は日本海側の新潟中部以北を除く大半が曇となっているが……


まあでも、満月は多少曇っていても余裕で見えたりする。雨にならない限り、期待しても大丈夫ではなかろうか。そう楽天的にとらえれば、ほぼ日本全土でお月見チャンスがあると言えなくもないぞ! 10日の夜は、とりあえず夜空を見上げてみてはいかがだろう。

参考リンク:国立天文台気象庁The Old Farmer’s Almanac
執筆&写真:江川資具
ScreenShot:気象庁