コロナ禍が落ち着きを見せ、円安も手伝って外国人観光客で溢れかえっている東京。

銀座や浅草、新宿、渋谷は観光客だらけで、特に爆買い観光客が多いのがドン・キホーテやドラッグストアだ。

そこで外国語のPOPが貼って大々的に売られているものは、ときには日本人にはそこまで馴染みのないものだったりもする。その代表格とも言えるのが『ロイヒつぼ膏』である。

・ロイヒつぼ膏、山積み

「ロイヒつぼ膏」は、絆創膏やセロテープなどで有名なニチバンが発売する温感貼り薬。最初に発売されたのは1932年というから、ロングセラー商品である。

昔からある商品だが、サロンシップやフェイタス、ピップエレキバンといった肩こり対策グッズの影にひっそりと隠れていた感じもある。

それがここに来て、訪日外国人客に爆売れしているのだ。ドン・キホーテやドラッグストアでは山積みになり、中国語や英語のPOPがばんばん貼ってある。実際、大量購入していく観光客も目にした。

中国4千年の歴史……というだけあって、肩こりやツボ押し、整体などは中国の得意分野というイメージがある。その中国人観光客が「ロイヒつぼ膏」を爆買いしていくのだ。いったいどれほどの効果があるというのか。

ちょうど、栗の皮剥き企画で半日寝込むほどの肩こりに悩まされている真っ最中。試すなら今しかない……。


・めっちゃ大容量

今回初めて買ってみたのだが、まず驚いたのがその容量の多さ。

普通タイプはなんと156枚入りというのでビックリである。価格は1200円ほどだった。

小さな茶色い丸いシールがシートに貼ってあり、鼻にツンとくる強烈な湿布臭が漂う。完全に湿布やん。

説明書によると、ノニル酸ワニリルアミドによる温感刺激で患部の血行を促進し、サリチル酸メチル、Lメントールなどの鎮痛消炎作用によって効果を表すとのこと。

公式サイトには「効き目、辛口!」なる文言もあってちょっと気になる。

さっそく、シールを剥がして患部に貼ろうとすると……

不意打ちでロイヒ博士と思しき爺さんが現れたのでちょっと笑ってしまった。



・痛いところに貼りまくる

ピンポイントで気になるところに貼れるのがうれしいところ。156枚と大量に入ってて惜しみなく使えるので、腕とか首筋、肩などにベタベタ貼りまくってみた。

すると……貼ってしばらく経ってから……


熱 い !!!!!!!!


ていうか、なんかヒリヒリする! お灸の熱さとはまた違うジンジンする刺激……。唐辛子入りのリップとかを塗ったときの刺激に似ているかもしれない。

皮膚の薄い首筋に貼ったせいか、見た目以上に刺激が強くて衝撃を受けた。

何も考えずに貼りまくったせいで、秋だというのに顔がホッホっと火照ってきた。暑い……暑い……!!


そしてしばらくして襲ってきたのは、ピリピリした刺激に伴うかゆみであった。


さらにしばらくするとメントールのひんやり感が襲ってくる。これか、公式サイトに書いてある「効き目、辛口!」ってやつは。


気になって調べたところ、ロイヒつぼ膏の成分、ノニル酸ワニリルアミドは(合成トウガラシ)と書かれている文献などもあった。なるほど、トウガラシに近い刺激があるからこんなにピリピリするのか……。爺さん、とんでもないことしてくるやん!?


たしかに温感は感じるが、このジンジンする熱さと痒みのほうが気になって、肩こりを忘れる……というのに近いかもしれない。

肌が麻婆豆腐になったかと思った。これ肌が弱い人は要注意なのではなかろうか。なんという刺激だよ……。

30分くらい経って剥がしてみたら「ロイヒつぼ膏」を貼っていた部分だけ熱くなっていた。温感の刺激は間違いなさそうだ。

ちなみに、ロイヒつぼ膏は風呂に入る30分〜1時間前には剥がすことや、ホットカーペットやこたつなどと併用しないように注意書きがあった。



・外国人に人気なのも納得

このジンジン、ピリピリした強い刺激が外国人客に好まれる……というのは、なんとなく納得できる気がした。

日本だともうちょっとマイルドなものが好まれそうだけど、海外の人は日本人よりも刺激に強そうな感じがするもんなあ。

個人的には、貼った直後にうんともすんとも感じないのに、いつの間にか肩こりがほぐれているピップエレキバン派だけど、エレキバンは高いのがなあ…。

「ロイヒつぼ膏」はコスパが高めで目が覚めるほどのジンジン感であった。ガツンとした刺激を求める人は一度お試しあれ。ただし、本当にピリピリするので肌が弱い人は要注意だぞ。


参考リンク:ロイヒつぼ膏
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.