日本には現在、3000種類を超えるレトルトカレーがあるという。よくよく考えたら、コンビニやスーパーに行かない日は人生の中で圧倒的に少ない。で、お店にもレトルトカレーは100%に近い確率で置いてある。すなわち人生の中でレトルトカレーのパッケージを見ない日の方が圧倒的に少ないんじゃないか?

今やレトルトカレーはラーメンと同様、一流のお店の味が家庭で手軽に味わえる。同時に1000円前後の高級路線のレトルトカレーも、主にスーパーで見かけることもしばしば……。そんな中、私(耕平)の想像を超えるレトルトカレーと出会ってしまった。

その名も『大阪 “極(きわみ)” カレー』。驚くべきはそのお値段。なんと税込で1979円! レトルトじゃなくてもカレー1食でこの金額は、そうそうお目にかかる方が少ないだろう。果たして、どんなレトルトカレーなのか? 忖度なしでお伝えしよう!

・「レトルトカレーミュージアム」で1番の高額商品

とある休日。私の地元・千葉県船橋市にあるJR船橋駅を歩いていると、中央改札口付近に「レトルトカレーミュージアム」なるものが出店していた。


見渡すと、激辛が売りのレトルトカレーや……


ご当地カレーなどの種類も豊富だ。


入手困難なレトルトカレーも扱っているらしく……


その中でも1番人気は以前、当サイトでも取り上げた『北新地 玉鬘(たまかずら)名物 バターカレー』とのことだ。


それら全国各地から取り寄せられた中で、1番高額のレトルトカレーが……『大阪 “極” カレー』だった。


お値段、なんと税込で1979円!


1つ500円以上のレトルトカレーでも高級の部類に入ると思っていたが、実にその4倍の価格……。ちなみに隣には、税込1782円の『GC葵 飛騨牛カレー』という商品が置いてあった。


私の中で「レトルト」の概念が崩れていく……。今まで食べた中で1番高いカレーは総重量2.5kgで1食2500円の「アパ社長メジャーカレー」だったが、量からしてそのくらいの金額でも違和感は無かった。しかし、今回はレトルトかつルーだけでこの値段。レジに行きながら軽く脳がバグっていた。



・最高級レベルのレトルトカレーの素材とは?

さっそく家に帰り、その実力を確かめるべく実食してみようと思う。


パッケージを見ると「洋食YOKOO(ヨコオ)」という、創業50年の老舗洋食屋さんが手掛けているらしい。オンラインショップの商品ページを見たら、開発期間は5年。オーナーシェフが大阪中を渡り歩いて素材を厳選した、まさに「大阪発のオールスターレトルトカレー」のような印象を受けた。


使われている素材は……

・大阪なにわポーク
・大阪ウメビーフ
・カタシモワイン
・泉州玉ねぎ
・堺 鷹の爪

という、大阪で厳選された5つの食材だ。


パッケージの裏を見ると、内容量は220g。値段に換算すると、1gあたり約9円だ。また、使われている原材料の多さからも、こだわりを感じる。


記載されている「お召し上がり方」に目を向けると、熱湯に入れて約5~7分温めるとのことだ。


高まる期待感を抑えつつ、鍋でグツグツと温めていく。


ちょうどいい時間になって、1979円のカレールーを投入!


いよいよ、最高級レベルのレトルトカレーの実食が始まる!



・1979円のレトルトカレーを実食!

何だろう……レトルトカレーを食べるのに、こんなに緊張するのは初めてだ。まずはルーだけを口に運んでみる。

おぉぉぉ……


一般的な辛さで言うと「中辛」だ。ただ、私のような素人でも分かるような味の深みがある。口に入れた後と数秒後に来る深みが、ルーだけの一口で2段階の風味が感じられた。確かにこの時点でレベチかもしれない。


白米と一緒に食べてみると……

もちろん、美味い。


次に「大阪ウメビーフ」を口に運ぶ。


いや、美味いのは当たり前だが、噛めば噛むほど牛肉のエキスが、「これでもか!」と言うほど湧き出てくる。この味を再現できるガムが販売されたら、きっと流行るに違いない。


そして「大阪なにわポーク」も食べてみる。


なるほど……おそらく厳選されたポークなのだろうが、カレールーというフィールドで先ほどの「大阪ウメビーフ」とは、もちろん味が違う。噛むことに旨みを増していくところも一緒だが、これだけの食材なら、1度カレーじゃない状態で味わいたかったというのが本音だ。


そして「泉州玉ねぎ」は、口に運んだ途端にトロける。


さらにそこから甘みが広がる。そんなオーケストラみたいなレトルトカレーを堪能していたら、アッという間に完食。


皿にへばりつくルーの残りさえも、食べ尽くしたい。



・忖度なしで言わせてもらうと…

金額的に最高級レベルのレトルトカレーを堪能したわけだが、味だけで言うと期待通りの美味さだった。食べ終わった後の余韻も、しばらく続いたほどだ。ただし1979円を払って、また食べようと思うかというと、ズバリ私の考えでは “否” だった。


その理由は「レトルトカレーミュージアム」の商品の紹介文にあった、この一言に尽きる。

「プレゼントにおすすめです!」


そう、「1979円のレトルトカレー」というだけで、かなりのパワーワードだ。それを自分で1回味わったうえで大切な人にプレゼントする……これが最適だろうと個人的には思った。

プレゼントの金額としては少ない負担だと思われるが、この値段のレトルトカレーは、よっぽどのマニアじゃないと購入意欲は薄いんじゃないか? と考察する。

ゆえにプレゼントとして「超高級レトルトカレー」を受け取った相手は、きっと物珍しさに感動するに違いない。それを本音で伝えるために、1回は自分で食する。

よって「レトルトなのに高い」の概念を逆手に取って、「自分では買うのに躊躇(ちゅうちょ)するけど、貰ったら嬉しい」に変換できるのではないか? そう感じた次第だ。

──というわけで、もし興味が湧いてきたのであれば、超高級レトルトカレーを味わう体験として……そして、ギフトの1つの選択肢として1度試してみることをオススメしたい!

参考リンク:洋食YOKOO(ヨコオ) 
執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.