ジャンボ! 今月最後のカンバ通信は、オレのオハコ(十八番)であるポテト通信でシメてみたい。


今回行ってみたのは、キベラスラムにある「オゾン・カフェ(THE OZONE CAFE)」という名のレストラン。


そこはかとなく清潔なイメージのする店名だけど、店内は予想に反してスゴかった。


食器は床に置いてあり、それを店員さんが洗っていた。


店内はファンシーな柄(キティちゃん)の壁紙が貼ってあったが、とても狭かった。


「ポテトひとつ」


そうオレが注文すると、店員さんは「ポテトは作れますが、20分くらいかかります」と。


まあ、いい。ヒマだし──。


そして店内をぐるりと見渡し……ていた、その時!


床に置いてある食器のいくつかに、ゴキブリがいるのを発見してしまった。1皿ではない。「いくつか」だ。


ビビるオレに追い打ちをかけるように、ネズミも出現した。すぐにどこかへ隠れてしまったが……。大丈夫か、この店。



とにかくポテトが出来上がるのをオレは待った。するとスタッフさんが厨房から出てきて、


「ごめんなさい、ごめんなさい」


とオレに謝り始めたではないか。


──どうしたのですとスタッフさんに尋ねると、


「ポテトを料理していたところ、真っ黒になってしまいました。これを食べたら、おそらく体に問題を引き起こす可能性があるので、あなたに売ることができません。ごめんなさい」


──なぜ黒くなってしまったのですか?


「実は調理鍋の食用油が、使用し始めてから4日目のモノなのです。おそらくこの古い油で揚げたから、ポテトも黒くなってしまったのだと思います」


──どうすれば食べられるポテトを作れると思いますか?


「私はこの店に雇われているいち店員にすぎませんが、のちほどオーナーさんに連絡してみます。そして、調理鍋に入っている4日目の油を捨てても良いかと聞いてみます。


また、新しい食用油を買っても良いかとも聞いてみます。新しく綺麗な油で揚げたら、きっと食べられるポテトを作ることができると思います」


──なんて良い子なんだ。なんて正直な子なんだ。感動したオレは、このスタッフさんに、


「あなたはこの店のポテトの真実を正直に話してくれただけでなく、お客さんの体調や生活にまで気にかけていて、とても良い人間だと思いました。どうもありがとう」


そう伝え、店を出た。


ゴキブリはいたし、ネズミも出たし、鍋の油は真っ黒だったけど、お店のスタッフさんの心はキレイだった。


何も食べていないけど、オレはとても気持ちがよかった。ポテトの数だけ出会いがある。クワヘリ。


執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

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