つい最近まで、私(サンジュン)は「カプセルホテルは日本独自の文化」だと思っていた。その起源や世界的なカプセルホテル市場についてはよくわからないが、少なくとも「メキシコ」にはカプセルホテルが存在する。

先日、NYへ向かう際「メキシコシティ国際空港」に立ち寄った私はカプセルホテルで2泊した。当初は「日本とそんなに変わらないかな?」と思っていたものの、最終的には日本ではあり得ない状況にドキドキしてしまったのである。

・空港直結

中南米におけるハブ空港として知られるメキシコシティ国際空港。街の中心部から比較的近郊にあるにもかかわらず24時間運営しており、確かに空港内は昼夜問わず人気(ひとけ)が無い時間は皆無であった。

そんなメキシコシティ国際空港に直結しているカプセルホテルが「イズーリ アエロプエルト ターミナル1(Izzzleep Aeropuerto Terminal1)」である。各航空会社へのカウンターへはどんなに遠くても10分ほどと、空港内へのアクセスは最高だ。

私がイズーリを選んだ理由はズバリ、安いから。同じく空港直結のリゾートホテルと比較すると価格はかなりリーズナブル。それでも泣けるほどの円安で1泊約8632円(1000メキシコペソ)したが、隣のホテルの価格は3倍以上である。


・日本と同じ?

で、実際に「荷物を置いて」「シャワーを浴びて」「寝るだけの施設」と考えれば、イズーリは全く悪くなかった。日本と比較すると「シャワーの出が良くないかな?」とは思ったものの、特に目くじらを立てるほどのレベルではない。

カプセルはカードキーで管理されており、内部には複数のコンセントが完備。「マジで全然日本と変わらないじゃん」と思いつつ仮眠をとり、共用部にあるロッカーへと向かったところ……え?


バスタオル1枚の女性がいるんですけど……?



・逆に気まずい

そう、イズーリは男女兼用のカプセルホテルで、共用部は男性用と女性用に分かれていなかったのである。分かれているのは宿泊するカプセルの部分だけで、シャワーやトイレ、化粧台やロッカー室は男女共用だったのだ。

女性は私を見かけると、ニコッと笑い「Hi」と声をかけて来た。私もキリッと「Hi」と返し……サッサとイズーリを出た。というか、その場にいずれえわ! 本当はトイレに行きたかったけど、女性に「こいつやたらといるな」と思われたら心外だからね!!

イズーリの構造上、カプセルに入るためには必ず共用部を通過する必要があったのだが、結局3~4回はシャワーを浴びた後に身支度する女性を見かけた(もちろん男も)。というか、ラテンなのか何なのか知りませんけど、みなさん随分とリラックスされてるんですね!

寝心地も悪くなく、言えばバスタオルも変えてくれる。コンセントは数多く、ロッカーも狭くはない。……が、小心者の私は「薄着の女性がいたら気まずいよ……」と、いつもより長めにトイレを我慢していたことを告白しておきたい。

ところ変われば空気が変わり、人も変わり、カプセルホテルも変わっていく。メキシコシティ国際空港直結のカプセルホテルは、日本ではあり得ない状況にドキドキするカプセルホテルであった。

参考リンク:Izzzleep(スペイン語)
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.