ジャンボ。まるでミツバチが花の蜜に誘われるがごとく、私はポテトの香りに誘われる。ある日のこと。ほんのかすかな香りから「あるな」と確信した私は、薄暗い店に入店した。ドッコイショと椅子に座り


「ポテトくれい!」


と美味しんぼの海原雄山ばりに雄叫(おたけ)んだ。しかし一向に店員が来る気配はない。腕組みをしながら、姿勢良く待ち続ける私。──と、その時、遠くの方から声がした。


店員「お客さん、ここは先払い制でさぁ」


早く言えぃ! ……と怒鳴りたくなったが、落ち着いて店内を見回してみると、たしかに「ペイヒア」と書かれた鉄格子があった。なるほど、ここでオーダーするのね。薄暗い店のくせに、一丁前に……。まあよい。


「ポテトくれい!」


そしてやってきたのがこちらのポテト。パッと見だけで、萎える。なぜならば、「黒い斑点(?)」が多数付着しているからだ。そこで私は、店員さんに聞いてみた。「一体なぜ、こんなにも黒い斑点が付着しているのだ」と。


店員「へい、原油高なもんで」


つまりはこうだ。油が高いから使い回していると。1日2日は当たり前らしい。よって、油の中に沈澱した黒いコゲカスがポテトにも付着するって寸法。これが私がよく言う「黒い斑点」の正体である。


しかし、ポテトが美味けりゃ問題ない。そこまで私も鬼ではない。いざ、実食──!


うまくない。

というか、味がしない。ここまで味のしないポテトも珍しいってくらいに味がしない。よって私は、塩、トマケチャ(トマトケチャップ)、チリソー(チリソース)をぶっかけた。怒りにワナワナと震えながら。


なぜなら、このポテト、150kes(約150円)もするからだ。


これが50kesなら、まだ許した。しかし100どころか150もするポテトで、このクオリティはひどすぎる。クソッ……と悔しがりながら食べていると、店員さんが今さら有益な情報を教えてくれた。なんでも、


店員「お客さん、ウチ、サラダ無料なんで。食べ放題なんで、いくらでもトッピングしてくださいな」


なぜそれを早く言わない。サラダが美味くてギリギリ許しちゃうパターンもある。ポテトにサラダはつきものだってのに、なぜ今さら……。まあよい。サラダ追加! こんもり頼むぞ。そして、いざ食べてみると──

サラダもマズイとか、どうなってんだこの店……! このクオリティで150kesとか、もうほとんどボッタクリじゃねえか……!!

新鮮でないうえに、変な味がする。オレは珍しくサラダもポテトも残して店を出た。今すぐ吐きたかったが、水を大量に飲んで我慢した。クソッ、なんでこんな店に入っちまったんだ……。自分の勘を過信しすぎたか……!


──2時間後。


私のお腹は屁でパンパンになった。屁というか、それは下痢だったのだけれど。トイレに行ってPPのP。まさか150kesのポテトで腹を壊すとは思わなんだ。こういうこともあるのがケニアのポテト。しかし私は諦めない。ケニア最強のポテトを見つけるまで私のポテ旅は続くのだ。クワヘリ。


執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

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